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君色恋色

痛みは快感の代価として与えられるものだ。







「ハァーーーッ」





仕事も順調に進んでいる毎日だけど、彼氏とはもう数ヶ月会っていない。







「会いたいよ……」






思い出しては会いたくなる。
それに彼の温もりも欲しくなる。



そんなときだった。






この瞬間あたしは運命というものを憎んでしまった。



目の前にはカップル。




……男の人は女の人の腰に手を回している。

女の人はというとそっと肩を寄せている。


しかも二人の左の薬指にはお揃いの指輪が光っていた。







……嘘だよね??





だってつい最近まであなたはあたしの前で笑っていてくれたでしょう??



そっと肌を重ね合わせていたでしょう??





男の人と目が合うと罰の悪そうな顔をしてあたしを見ていた。




「ねぇ……どうしたの俊二??」


「ん……??あぁ悪い。寒いしそろそろ行くか…あゆみ」


「うんっ♪」


あたしを横切って過ぎ去っていった俊二。




あたしは悔しくてどうしようもなくてその場に崩れさった。




信じないから!!
ただの見間違いだよ!!




そう思って電話をしてみたけどやっぱり繋がらない。



もーっ!!メールなら届くよね??




そう思ってメールを送ってみた。けどやっぱり……



『宛先を確認下さい』


そう書いてあった。











「さおり!!」



そう呼んでくれたその声も、抱きしめてくれた腕の強さも、重なり合った肌の温もりも二度とは感じられない。




そんなおもいを抱いたまま家に帰り着き、泣きつかれて寝た。

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