Part.5 そう言って、向かいのソファに座った相田はがつがつと皿に料理を盛り始めた。 ここはバイキング店か何かか、いや違う。相田事務所の客間である。 直接、客室に来る人間等数が知れているので−−それから、この会社の坪が狭いので、比較きれいなこの部屋で食事を取ったりするのだ。 (本当、馬鹿みたい……) つられて彼女は食事を取り始めた。 相田がつくった料理は−−暖かな優しい味がした。 調査まで、あと一日に満たない。時間は刻々と過ぎて行く。 雨の街での滞在期間は五日。それ以内にミッションをクリアーできなければ、この話しはご破算。 もう、あの街は壊れかけているのだから、再チャレンジの機会などは、無い。 調査に向かうは、メルコット・アビア。ただ、一人だけ。 そうして−−物語は冒頭へと戻っていく。 ←Return.→Next. [戻る] |