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奥様は×××





晴天の空の下、本日入学したばかりである、高校の屋上、給水タンクの上。

仰向けに寝転び、輪を作って並ぶ3つの頭。


そのうちのひとつ、一条、通称ジョーがフーと吐き出したタバコの煙がゆらゆらと空を登る。
それをぼんやり眺めるアカこと赤木があくび交じりに声を出した。

「だりぃ」

「昼寝日和だわぁ」

最後の一人、真央が伸びをしながらのんびりした声を出す。

「もう入学式終わったんじゃね?」

「とっくのとうに終わってんよ。オメー来んの遅すぎ」

声色だけでなく行動までのんびりしている真央にアカが呆れた様子で返す。

「だって起きれねーんだもん。つーかさぁ」

真央はチラっと隣に寝転ぶ長身を見た。

「ジョー、まじで短ランで来たんだ」

「あ?オウ。調達すんの大変だった」

短い学ランの裾をピっと引っ張り、自慢げに言うジョー。
アカもジョーの短ランに目をやった。

「まじ目立つ。つーか今どき短ランて」

「めったに拝めねーな」

呆れた様子の2人にジョーは眉を寄せ、不機嫌にアカを見た。

「おめぇも十分目立つだろ」

風に揺れる細いアカの髪は赤く染め上げられている。
「へへっ。似合うだろ?」

照れたように一指し指で鼻の下をこするアカ。
ジョーは煙を吐き出し、真央はため息をつき、一言。

「「…微妙」」

「ハモんなよ!!」

「まぁ、アカの髪は別として、俺も染めようかなぁ…」

真央は呟く様に言い、前髪に指を通した。栗色の猫っ毛はどうしても彼を幼く見せる。それだけじゃなく、童顔なところが真央のコンプレックス。

アカはガバッと上半身を起き上がらせて食いついた。

「何色にすんの?」

「うーん…」

「緑は??」

「…は?」

突拍子もない提案に目を丸くする真央。

「なんで?」

「ついでにジョーも黄色に染めれば信号機の完成じゃんか!」

すごい発見をしたとでも言うように笑顔で真央を見下ろす。
真央の目線からアカの顔が丁度、まぶしかった太陽と重なり、影になった。



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