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奥様は×××




でも梓鶴さんの為にもう一頑張りしちゃいますよ。

「あ…、和也」

「ん?何?」

名前を呼ばれ、風呂場に向かっていた足を止める。
すると梓鶴は寝室に行ってしまった。

「梓鶴?」

すぐさま戻ってきた梓鶴の手には何やら紙袋が。

「コレ。まだ渡してなかった」

ん、って差し出された紙袋。受け取り、中身を見ると綺麗に包装され、リボンの付いた箱が入っていた。


…え。もしや…

「……チョコ?」

「…別に、大したものじゃねーし…」

梓鶴の言葉を聞かず、箱を取り出すと出来るだけ包装紙を破かないようにしながら大急ぎで開けた。
中に入っていたのはでこぼこの生チョコや何の形か分からないクッキーやちょっぴり焦げたカップケーキ。

「も…もしかして、手作り…?」

「不細工で悪かったな」

俺は箱を手に持ったまま、真っ赤になった顔を反らす梓鶴を抱きしめた。

「ッな、何?和也??」

「嬉しい。やばい。嬉しすぎて死んじゃう」

「……大げさ」

「大げさじゃない。本当だよ」

ぎゅぅっと更に強い力で抱きしめた。俺のドクンドクンとうるさい心音が梓鶴にも聞こえちゃうかもしんない。
気のせいかな?いや、気のせいじゃないみたいだ。
梓鶴からもとくんとくんって聞こえる。
もう、大好きだよ。梓鶴。

「梓鶴」

「何?」

「我慢出来ない」

「菓子は飯の後にしろよ」

「違う」

「じゃぁ何だよ」

「食べたい」

「だから、菓子は後」

「違う」

「は?」

「梓鶴」

「何?」

「梓鶴を食べたい」

「…ッ…」

抱きしめていた手をゆるめて、梓鶴の顔を覗き込むとさっきとは比べ物にならない程顔が真っ赤だった。
そっと近づいてキスをする。
触れるだけのキスをしたら、梓鶴はそれだけで耐え切れなくなったのか顔を反らした。
そんな事で俺から逃げれると思ってんの?
可愛いね。梓鶴チャン。

「は…ッ、か」

ちゅむ、ちゅっ

再び口を塞いで今度は舌をねじ入れた。
嫌がる梓鶴の顎を掴み、無理矢理続ける。
キスをしながら梓鶴を見ると、目は潤み、もう表情はとろけている。
終いには立って居られなくなったのか俺に寄りかかってきた。

「ん、梓鶴、ベット行」

言いかけたその瞬間。

ベシッ

隙を突いた梓鶴に頭を叩かれた。

「痛ったぁ」

「…ったくテメェって奴は」

怒りマークが額にガッツリ浮かぶ梓鶴様。

何でよ!!良いじゃんか!!俺等夫婦なんだよ!?!?

拗ねる俺を丸無視で梓鶴はぷんぷん怒って風呂場に行ってしまった。

「ケチッ!!」

「言ってろタコ!!」

なんだよ、ケチケチケチケーチ!!
照れちゃってさぁ!まぁ、そういう梓鶴も可愛いけどねぇ。

ふと手に持ったままの箱に目を落とす。
でこぼこの生チョコをひとつ詰まんで口に入れた。

「甘ッ」

でもおいしい。

梓鶴のやつ、どんな顔してこれ作ったのかな?
想像するだけで顔がニヤけちまう。

チョコ刻むとき指切ったりしてないかな?
火傷した可能性もある。


意地っ張りで恥ずかしがりやでものすっごい不器用。加えて学校じゃ先生も手を焼く不良の一人。
本当はチョコ作りなんて恥ずかしくて死にそうだったんじゃないかな?


まったく。可愛い奴。



end


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ひゃー
バレンタインを2ヶ月も過ぎてしまった…



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あきゅろす。
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