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奥様は×××




そういう時は交番に連れて行くとかさぁ…。
あー、でも交番に犬を連れて行く不良って…。
最早不良じゃないね。
単なる髪の派手な良い子だよ。



部屋や、廊下を掃除し終え、一休みしようとソファーに腰を下ろした。梓鶴もコーヒーを片手に隣に座る。

ん、と差し出された暖かいコーヒーに口をつけた。
あぁ…やっぱ疲れたときに濃くて熱いコーヒーは良いねぇ。落ち着く。梓鶴さんが淹れてくれたってのが一番のポイントですよ。



「梓鶴、肝心な事言って良い??」

「?」

「ウチのマンション、ペット禁止だよ」

「…え゛!?!?!?」

え、何?そのあからさまにガーンって感じの顔。
一緒にマンションを借りに来たとき話聞いたじゃん。

「…どうすんの?あれ」

ウッフウッフと大型犬独特の篭った低い声が風呂場から聞こえる。時折ドアをカリカリと爪で引っかく音もする。

まじかよ…と頭を抱える梓鶴さん。
つーか飼う気だったのかよ。

泥だらけだったのは置いといても、毛並みも悪くないし、栄養状態も良さそうな犬だった。
どう考えても何処かの飼い犬が何かの拍子に脱走してきたとしか考えられない。
きっとあの子は飼い主が居るよ。

落ち込む梓鶴の頭を撫でる。

梓鶴って動物好きだよね。
そういえば初めて出会った時も傍に動物が居た気がする。

「梓鶴」

「?」

「飼い主さん、探してあげよ?」
俺の言葉に、梓鶴は寂しそうな顔をしたがコクリと頷いた。

「さぁて、そうと決まればとりあえず、ワンコの体を洗いますかね」

立ち上がり、んーっと背伸びする。
仕事の疲れと、急なお掃除の疲れで俺の体はくたくただ。
嫌だねぇ、まだ30前だってのに…。うぅ、ピチピチの梓鶴さんが羨ましいです、はい。



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あきゅろす。
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