奥様は×××
3
三上くんもさっきから貧乏ゆすりしててイライラしてるみたいだし。
怖い…。
「チッ」
びくぅっ
突然の彼の舌打ちに、私は驚いて肩が跳ねてしまった。
「…昇降口、見てくる」
「あ、うん、お願い」
ガラガラとドアを開けて教室を出た彼。
あぁ、怖かった!!何で舌打ちするの??
怖すぎるよぉ。
嫌だなぁ…。
でも今日は次に約束してる生徒も居ないから、本当に来れないって連絡が無い限り、こっちから今日は無しにしようか、なんて言えない。
もう、早く帰りたいのに…。
はぁ…と本日何度吐いたか分からないため息をした時だった。
ガラガラと開いた教室のドア。
そして、そこから入ってきたのは三上くんと三上くんのお兄さんだった。
「すみません、会社に書類を届けたら思いのほか時間が掛かってしまって…」
来たわ!ヤクザのお兄さん!!…と、思いきや、そこに立っていたのは、長めの黒髪を後ろに流し、ライトグレーのスーツをピシっと着こなてピンクのネクタイをした会社員風の男性。
あ、れ…?
何?なんなの?
この人が三上くんのお兄さん…?
「い、いえ。どうぞ、こちらに」
動揺しながらも席に座る様に促すと、その人はすみませんとまたお辞儀をした。
とても礼儀正しく、さわやかで想像した姿とはかけ離れてる。
…本当に兄弟なのかしら?
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