奥様は×××
2
三者面談の場所は夕日の差す、この放課後の教室。
現在その場に居るのは私と三上くんの2人だけ……。
「三上くん、来て下さるのはお兄さんだっけ?」
「あ?あぁ」
「遅い、ね」
約束の時間は4時半。
只今その時間を10分ほど過ぎたところ。
なにより、三上くんと2人だけというこの場面がとても気まずい。
三上くんは“不良”の類に入る子。
少し背は小さいけれど、髪の毛は金髪だし、言葉使いが怖いし、喧嘩になると先頭をきって飛び込む様な子。
そんなだから彼は周りからは少し恐れられて居るみたい。
以前、授業中に先輩生徒がクラスに怒鳴り込んで来た事があった時、彼は余裕綽々といった態度で先輩をあしらい、怒った先輩と乱闘になるなんて事があった。
当然ながら周りの生徒は怯えていたわ。
その授業が私の授業だったから私もなお更怖く感じちゃう。
でも彼は変わっていて、授業を決してさぼらない。1、2年生のときは皆勤賞にも輝いている。
…変な子、よね。
あーあ、彼のお兄さんってどんな人かしら…。
頬に傷とかあって、サングラスをかけたヤクザみたいな人だったら??煙草とか吸いながらきちゃったらどうしよう…。
校内は禁煙ですよ、
なんて絶対に言えない!
嫌だなぁ…。
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