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犬馬の心







「犬真?どうしたの?」

先ほどまで身体を洗っていた蘭がタイミング悪く湯船のほうに来てしまった。
突然立ち上がって動かない俺にどうしたのか聞くのは当たり前だ。だけど今の俺にはその当たり前が非常に困るッ!!!

「な…でもねぇ…」

はやくどっか行けッ!!露天風呂でもサウナでも何でもいいからとりあえずどっか違う所に行ってくれ!!!

「なんでもないって」

「…んッ…」

俺の願いむなしく、蘭は後ろから覗き込み、肩に触れた。その瞬間、自分の口から変な声が漏れた。
慌てて口を抑えたが出てしまったものをしまうなんて無理。
なんだ今の声ッ!!つーか触れられた所が熱い…。身体がむずむずする…ッ。

「あー、やっぱり」

困惑している俺をよそに、何故か納得したような声。
蘭は湯船に入り、浴槽の淵に腰かける俺に向き合うとわざと膝に触れてきた。それだけで震える。

「…ッ、蘭」

「あの先輩、妙なもの作ってるって噂だったけど…媚薬かぁ。」

「は!?」

い……今、なんて言った……?

「び……ビヤクだと……!?!?」

何言ってんだコイツ!!ビヤクって言ったか???ビヤクって媚薬なわけで、エ…エロイ気分になるってヤツか…ッ!?!?
なんで学生がそんなもの作ってんだよ!!薬はダメ、絶対って先公に言われてんだろうがッ!!!ポスター見ろよ!!部屋に貼っとけよ!!!

(ぼさぼさ野郎ブチ殺す!!!)



俺はあの第3理科室での行動を始めっから最後まで思いだそうと必死になった。
蘭と同じ行動しかしてないのになんで俺だけなのかさっぱり分からない。不公平だろ!

ぶっちゃけ息子はタオルの下でパンパンになってる。
このままじゃ文字通り爆発する。そんなんまじカンベン。






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あきゅろす。
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