犬馬の心
7
「何がだよ」
「さっきの3人だよ」
「知らねぇよ」
イラつく。アホらしくて話しになんねーよ。
『兄貴』だと?俺が何のためにこんなクソつまんねー所に来たと思ってんだよ。何のために東を裏切ってまで・・・。
・・・なんて思った所でアイツらに俺の事情なんて分かるわけがない。それを頭では理解していてもどうしてもイラついてしまう。
こんなのほぼ理不尽ギレだ。
「ダチ作るチャンスだぞ?」
「別に。俺はお前がいれば良いんだよ」
「…犬真…」
「あ?」
呟いたようなタケルの声に何事かと思わず足を止めて振り向く。タケルの顔はなんだか暗くなっていた。
「犬真…」
「なん…だよ」
「ごめん、俺もお前の事は好きだけど、やっぱり建明さんが一番なんだ。許してくれ!!!」
「は????」
「折角の告白だけど、ごめんな。でもお前とは友達だから」
タケルは早口で巻くし立てると必死な形相で俺の肩を掴む。
「さっきからなんだよ。うぜぇな」
告白って何言ってんだ。
………?
――俺はお前がいれば良いんだよ――
「おえぇえええッ!!!」
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!