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犬馬の心






「それだけじゃなくて一目見たときから兄貴は俺らハンパモンとは違う。ホンモノだって思ってたんです!!」

「何がやべぇって!!兄貴のその目がやべーっすよね!!マジ睨まれただけで痺れるッス!!」

咲斗とマサの言葉と共に3人が熱い眼差しをこれでもかというくらい送ってくる。
太陽光より熱い眼差し。

[一目見たときから]
どっかで聞いた言葉だ。あぁ、そうか。聞いたんじゃなくて見たんだ。
あのセフレ志望の恋文だ。

人は第一印象で決まるってなんかで見たことがある。
んな事ねぇーだろって思ってたけどよ、やっぱ当たってんのかな。

      チーン


「俺たちを兄貴の舎弟にしてください!!」

3人は勢いよくその場に座って土下座をした。



……東。
俺ってやっぱこんな運命なのか…?

カンカン照りの太陽のせいか?いや、違うな。目の前の三人分の暑苦しい眼差しの所為だ。
軽くめまいがする。

「……悪ぃけど、俺はそういうの辞めたんだ。だから兄貴なんて呼ぶな」

「でも!!俺ら…」

諦めの付かないマサの声を最後まで聞かずにタケルに「行くぞ」と声を掛けた。

「ちょっ、犬真?」


俺はタケルの制止も聞かずに屋上を出た。


*******



完全に授業を受ける気力をなくした。今日はもう部屋に帰ってだらだらすごす!!

そう決心して廊下をずんずん歩く俺をタケルが駆け足で追ってくる。

「おい、犬真。良いのかよ」




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あきゅろす。
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