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犬馬の心









「ハイハイ!俺タケルっつーんだ。よろしく。でも犬真にビビらないって珍しいな」

まぁ、あのギャラリーの中の一員だからな。


でもそれにしてはコイツラはちょっと様子が違う…。
何ていうか…他のやつらの視線は色でたとえたらピンク色でどこか甘さを含むものだった。
コイツラのはギラギラしてる。なんていうか、男臭い感じ…?

(なんだか少し懐かしい気もすんだよなぁ…)

3人の容姿をまじまじと見る。
そして懐かしいと感じた理由が分かった。

マサはラインの入った短髪のキンパで眉がない。そんでもってかなり良い体格してる。
右隣のヒロは小柄だがマサに負けないくらい派手な色の頭。ピンで止められた前髪を含め、赤いメッシュが入っている。
そして左の咲斗は長い黒髪を後ろで結わいている。一見普通の生徒のように見えるが耳にと右眉にピアスが付いている。


(…………ヤンキーばかっかりじゃねぇかッ!!!!)


気づいてしまった事実にがっくりと肩を落とす。
でもヤンキーだらけなのはこの際どうでも良い。それもひとつの個性だろ?
俺だってこんな面してんけどもうそういうヤンチャは辞めたんだ。コイツらだって見た目はアレでもこんな金持ち学園に来てんだからもうヤンチャは辞めたくちだろ。

つーか、こいつは友達を増やすチャンスじゃねーか??

「あの、兄貴!!!」

ヤンキーだらけの状態をプラス思考で無理やり乗り越えた俺にマサが遠慮がちに言った。

「や、兄貴って。ハハッ。タメなんだから」

「いいや、兄貴は兄貴ッス」

冗談だと思って笑い飛ばしたが、マサの真面目な顔からしてそんなつもりじゃないらしい。

「何で犬真が兄貴なんだよ?」

「兄貴の喧嘩の強さは俺らみんな知ってる事っスよ!!」

興味津々のタケルに間一髪の間も空けること無く、マサは熱い眼差しで答えた。

「は…!?」

驚きを隠せない俺にヒロが言葉を続ける。

「この前、兄貴の部屋からすっげぇ音と啖呵切る声が廊下に響いてたのを3人で聞いてたんです!!音が消えた後、部屋からぼろぼろになった先輩たちが出てきて…俺たち、まじ興奮しました!!」

この前って………蘭を襲いに来た奴等か!!





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