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犬馬の心






だがタケルは俺の苦労を全くわかってないみたいだ。
はぁ、とため息を吐いて腰を下ろした俺に何かのボトルを手渡した。

「あ?何だこれ」

「オイル。背中に塗ってくんね?」

へへッと笑ったタケルの顔はヘラヘラとしている。

「……」

俺は無言でオイルを受け取り、手にたっぷりとだしてタケルの背中に回った。

「お!サンキュー」

そして真後ろに来たとき手を振り上げで背中に叩きつけた。

バチィィンッ!!

良い音と共に「いってぇぇッ!!」という悲鳴が上がる。
タケルの背中には俺の手のひらサイズの立派な紅葉が出来た。

「チャラ男が調子こいてんじゃねぇ!!」




********


タケルのアホにキレちまったおかげで休み時間が終わってしまった。
もう面倒くさくなって次の授業はサボることにした。

「つーか、犬真って俺以外の友達居たんだ」

「あ?や、ダチっつーかここまで案内してもらったんだよ。サンキューな」

改めて3人の方に向き合って礼を言うと、「そんな、兄貴のお役に立てただけですっげぇ嬉しいっスから」と丁寧に言われた。

…………ん…………?

「兄貴…?」

「ハイッ!!あ、俺、正芳(マサヨシ)って言います!!マサって呼んでください!!」

俺の疑問は耳に入っていないようで中央の奴が自己紹介をした。それに合わせて両隣のやつらも名前を言う。

「ヒロでーす」

「咲斗(サクト)です」






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あきゅろす。
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