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犬馬の心







「ホラ、こうやって好きだ、嫌いだって…」

なんとも苦しい。苦しすぎる言い訳。
花占いするVシネ顔って酷すぎる画でしかない。

「ふーん。どうでも良いけどかなりキモチワルイからやめたほうがいいよ」

汚い物でも見るかのような顔で言い放たれた言葉。

うっせーな。余計なお世話だっつーの!!



*******



厨房の裏手に蘭を連れて戻ると、タケルは既にサンドイッチをほおばっていた。

「何やってんだよ。犬真の分食っちまうぞってあれ?猫ちゃんじゃん」

「どうも」

「あ、猫西って子か!?」

「はい、2人とも犬真君のお友達なんですか?」

蘭はほんのり赤い頬で微笑み、可愛らしい声で答えた。ちょっと首を傾けて上目使いで問う所にコイツ抜かりねーなと感心してしまう。
完璧なラブリースマイル。
タケルも建明も蘭の微笑みを見て顔が緩んでる。


ったく、白々しく君付けで呼びやがってよ。
只今外面使用中ってとこか。だがそんなこと、頬のゆるんだタケルと建明は微塵も感じていないようだ。

「こいつ、タケル。こっちは建明さん」

簡単に紹介してやると、どうもと、天使の微笑みを振りまいた。

「噂に聞いてたけどまじでかわいいな!ちょっと待ってろ。お前の分も持ってきてやる」






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