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犬馬の心







どれを何回見ても同じ形をしている。
どうりで何処かで見た気がしてたのか。

「校章かよ…」

「それがどーした?」

「…いや。なんでもない」

校章って。
ますますアイツの探してるもんがわかんねぇ。



*******



「うっわぁ、やっぱ昼は込んでるなぁ」

食堂にやってきた俺たちを待ち受けていたのは昼食を注文しようと並ぶ生徒の長蛇の列。
昼は限られた時間しかないから混むのは当たり前だ。

タケルは列の先頭を見ようと爪先立ちした。先頭はずっとずっと先で当然建明の姿も見えるはずがない。

「犬真、お前の強面でどうにかなんねーの??」

「お前人の顔面なんだと思ってんだよ。ぶっ殺すぞ」

「おー、怖」

タケルは自分の身体を抱きしめてわざとらしく震える。
でも確かに並んで待つのはダルイ。だるすぎる。
というか、ヘタしたら昼休みの時間内に昼飯にありつけるかも微妙だ。

「そもそも何で食堂に用事があんだよ。購買で良いじゃねーか」

「あー、昼飯を食いたくてきたんじゃねーんだよ。まぁ、デートのお誘い?」

「は?」

理解出来ない俺をタケルはまぁまぁ、と軽くあしらって生徒でごった返す食堂を見渡した。
そう簡単には減らない人々。しびれを切らした俺はタケルに提案した。

「誘うのは明後日の事なんだろ?また夜に来ようぜ」

こんなに混んでいたら建明だって忙しいに決まってる。話すどころか顔を見る事さえ出来なそうだ。

「しゃーないかぁ」

教室に戻ろうと、食堂から背を向けた。
だが次の瞬間、目の前を大きな籠を抱えたコック服があわてて走って行った。

「おッ!!建明さんハッケン!!」

まるで犬が飼い主を見つけて走りよって行くかのように、タケルは建明の後を追いかけた。

「ちょっ、タケル!」







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あきゅろす。
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