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犬馬の心







(ハッ。売春の次はセフレかよ。この学校はヤリたがりの集まりか?)

俺の頭は至って冷静だぜ。でもな、俺は頭より先に手が出ちまう性格(タチ)なんだわ。

「悪ぃな」

俺はそう呟いたのと同時に肩に腕を廻していた奴の鳩尾に一発かましてやった。
「ぐふっ」とくぐもったうめき声を漏らして男はその場に崩れ落ちる。

それを合図に他の奴等が殴りかかってきた。

「てめぇッ!!」

振り下ろされる拳をよける。相手は勢い余って前のめりになった。すかさずそいつのケツを蹴り飛ばす。
次に向かってきた奴の腕を掴んで背負い投げで飛ばし、すぐさま左から来た奴の腹に蹴りを入れた。
次々に向かってくるやつ等をなぎ倒しながら叫んぶ。

「どいつもこいつもうぜぇことばっか言いやがって!!!なんなんだよ!!!セックスってのは好きで好きでたまんねぇからするもんなんじゃねぇのかよ!?!?!?」

右から来た奴を殴りとばして、次の奴をカウンターでかわした。
そして目の前にいた奴の顔面に体重の乗った右ストレートを叩き込む。
そいつの鼻から鼻血がホースで水を撒くように弧を描いて噴出し、ダァンッと大きな音を立てて仰向けに倒れた。

「はぁはぁ…」

一瞬だ。もうこの部屋で立っているのは俺だけしかいない。

(ははッ)

この感覚、懐かしいと言うには日が浅すぎる。けれど、以前の俺は喧嘩をしない日なんて滅多になかった。こんな生温かい学園の環境では懐かしいと思っても仕方ない。

「コイツ…やべぇよ…」

搾り出すような声で誰かが呟くと、それを皮切りに「うわぁぁ」と情けない声を上げながら全員が部屋から出て行った。






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