犬馬の心
5
つ……掴めそう……!?!?
待っていた……!?!?
何、言ってんだコイツ……
部屋の作りは俺達の部屋となんら違いはなかった。
先輩はリビングに誰の姿も見えない事を確認すると「声がします」と呟き、生徒の個室のドアに向かってしまった。
ドアに耳を近づけ、聞き耳を立てる先輩。人の会話を盗み聞くなんて非常識だろと思いつつ、俺自身会話の内容が気になって仕方ない…。
だってそうだろ?
先輩の意味深な言葉も気になるし…
戸惑いながらも先輩と同じようにドアに耳を近づける。
もう盗み聞きの行為に対する罪悪感なんかより、好奇心の方が何倍にもなっていた。
ドアに耳を押し付けると微かだが蘭の声が聞こえた。
でも途切れ途切れで何を話しているのか分からない。
集中しようと、よりいっそう耳を近づけて
………俺は固まった。
「…んっ…!!あっ、まだ…駄目ぇ」
思わず耳を疑う。
しかし、否定できない。これは正真正銘、蘭の声だ。
「んやぁッ、あん、あんあん」
蘭の…喘ぐ声。
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