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犬馬の心






つ……掴めそう……!?!?

待っていた……!?!?


何、言ってんだコイツ……




部屋の作りは俺達の部屋となんら違いはなかった。
先輩はリビングに誰の姿も見えない事を確認すると「声がします」と呟き、生徒の個室のドアに向かってしまった。


ドアに耳を近づけ、聞き耳を立てる先輩。人の会話を盗み聞くなんて非常識だろと思いつつ、俺自身会話の内容が気になって仕方ない…。
だってそうだろ?
先輩の意味深な言葉も気になるし…


戸惑いながらも先輩と同じようにドアに耳を近づける。
もう盗み聞きの行為に対する罪悪感なんかより、好奇心の方が何倍にもなっていた。

ドアに耳を押し付けると微かだが蘭の声が聞こえた。
でも途切れ途切れで何を話しているのか分からない。
集中しようと、よりいっそう耳を近づけて

………俺は固まった。



「…んっ…!!あっ、まだ…駄目ぇ」



思わず耳を疑う。
しかし、否定できない。これは正真正銘、蘭の声だ。

「んやぁッ、あん、あんあん」

蘭の…喘ぐ声。






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