犬馬の心
3
「え?」
固まっていた蘭が小さな声でぽつりと呟く。
「…週一なら和食でも良いよ…ッ」
「!」
ぶっきらぼうに言い放たれた言葉。
その頬はほんのり赤く染まり、それを隠すように忙しなく箸を動かし始めた。
きゅん…
(……コイツ……、やっぱ可愛いかも…)
俺も忙しなく箸を動かした。
********
「あ、そうだ。これあげる」
あらかた食べ終えたところで蘭は思い出した様に言うと何かを差し出した。
受け取ってみると、それはこげ茶色の革で細いベルトの様な物だった。
その割には短く、変わったデザインで金具の所に小さな鍵穴が付いている。
これは……
「チョーカー?」
「そ。チョーカーだよ。着けてみて」
言われるままに首に着けてみた。
こういった小物の装飾品はピアス以外した事がないのでなんだかくすぐったい感じがする。
「わぁ、思った通りピッタリだね!」
「そ、そうか?」
そんな事言われたらそれなりに嬉しく感じてしまう。
カシャンッ
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