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犬馬の心








「はぁ…」

重たくて気だるい体をやっとの思いで起きあがらせて制服を着た。
満足した彼らに放置された精子まみれの体。男達が去った後、簡単に拭いたものの、やはり匂いが取れない。
体中のあちこちに痣も出来てしまった。

(……お風呂入りたい。)

縛られて痣の残る腕は細く、腕力は男子高校生の平均に届いていない。
女顔で背も低い。加えて運動音痴…。

別にレイプされる事なんかには慣れて居る。だから今更こんな事で傷つくような心じゃない。


……ただ、こんな時にいつも思うのは、僕の体がもう少しだけ大きければ良いのにな、もう少しだけ力があれば良いのにな…って事…。


*****



今にも崩れ落ちそうな体に鞭を打って自室までたどり着いた。

(……あ、鍵がない…)

制服のポケットを探ってみても鍵がみつからない。
きっとさっきの奴らに取られたんだ。

(やばいなぁ…。部屋に押し入りられたら犬真くんにバレちゃうかも…)

とりあえず呼び鈴を鳴らし、犬真くんがドアを開けてくれるのを壁にもたれて待つ。

(後で考えよ。それより早くお風呂…)

カチャッ

しばらくすると小気味よい音と共に開いたドアから、あの超強面がひょいと顔を出した。

「誰だ?…って蘭!?」

あー、犬真くん居て良かったぁ。
これでやっと……

「蘭?オイ!どうした!?」


…………お風呂に…………――――







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あきゅろす。
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