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犬馬の心






優しく差し伸べられた手だったが、これは罠なのだろうか?(何の為のか分からないけど)

不釣り合い…そう!全く合わないんだ!!
優しい手と……

顔が合ってないんだ!!!

僕を凍りつかせ、友達が悲鳴を上げて逃げ去った原因。それはとてつもない強面だった。
切れ長の鋭い目。相手を威圧するような逞しい身体。
まるで指名手配中の凶悪犯罪者の様な顔は、人を殺すなんて朝飯前……いや、まばたきをするより簡単かも……。

そうだ…。……ヤクザ……!
昔ちょっとだけ見たVシネマに出てくるヤクザだ……!

―なんやワレェ。何処に目ぇ付けとんじゃ!!タマ潰してまうぞ!!!―

(ひぃいいいい!!!)


僕は目を合わせているだけで生命の危機を感じて、思わず目を閉じた。
相手は背が高くてガタイが良い分、屈んで僕を覗き込む体勢は威圧感がすごい。
目を閉じてるのに、その威圧感で息苦しい。
今にも僕を押し倒して、顔面にパンチの雨を降らせてしまうかもしれない!!!

「……チッ」

(ひっ!!!)

相手の舌打ちが聞こえて、反射的に肩が跳ねる。

(怖い怖い!!!殴られる!!!!)

目をギュッと閉じて与えられるであろう痛みに構えた。
しかし…

(……ッ…………あ………あれ???)





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あきゅろす。
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