犬馬の心
1新しい友達
何度か道に迷いながらも、漸く辿り着いた食堂。
案の定……広かった。
まるで高級レストランの様だ。
床は大理石だろうか。
天井からぶら下がったシャンデリアの、華やかな明かりが反射して輝いている。
食堂を利用する生徒達は沢山居て、室内の高級感とは全くそぐわない程騒がしかった。
どうやら室内の奥にあるカウンターで注文するらしい。
「馬鹿!止めろよー」
「お前が俺のエビフライ、食っちまうからだろ!」
カウンターに向かって行く途中、近くのテーブルでメインディッシュを取り合う声が聞こえた。
(オイオイ。本当に高校生かよ)
更には、皆が食事をしている最中にも関わらず、走り回ってる奴等まで居る。
(無法地帯だな…)
********
他生徒side→
事の発端は、一緒に食事をしていた友達が僕の顔にソースを飛ばした事だった。
ヒュッ…ペチャ
「あ、悪い」
「今わざとやったろ。仕返し」
ペチャッ
ソースは見事友達の鼻頭に命中。
その、なんとも言えない間抜け面に思わず吹き出した。
「ぷっ!だっせぇ」
「やったなッ!!」
顔を真っ赤にして怒った友達は勢い良く席を立った。
ヤバい!と思った僕も反射的に立ち上がって、思わず走り出す。
「待てこらぁ!」
「誰が待つか!!」
有りがちなセリフに突っ込みを入れて追っかけっこがスタートした。
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