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竹「みんなお疲れー!」
小「今日は後夜祭があるから結果は月曜のHRで言われると思うから」
簡単な片付けを始めたみんなからお疲れーとか結果楽しみとかの声がちらほら聞こえた。
文化祭は夕方から渋宮の生徒のみが参加出来る後夜祭がある。
後夜祭って言っても花火打ち上げて残った出し物を食べたり飲んだり自由に過ごすだけだけど。
やっと終わった…。
早く着替えてぇ。
「堤!お疲れえ」
壱と買ってもらった10個のドーナツが入っている袋を抱えた春が声をかけてきた。
「おー。春と壱もお疲れ」
「まじ疲れたー。やたら猫耳触られたし」
「……」
何か言いたそうな顔をして居る壱。
…全く。
何気にヘタレだな。
しょうがねえ。一肌脱ぐか。
壱の代わりに聞いてやるよ。
「春は今日女子みたいだもんな。なんかされなかったか?」
「何かって?」
「うーん…と…」
チラッと壱を見ると口ぱくで何か言ってる。
『触 ら れ た か?』
「…触られたとか?」
「猫耳?」
「ちげーよ。…膝、とか…?」
ミニスカだし、一番目が行くもんな。
「膝?あはは!別に男の膝触んないだろ!」
「…まあな…」
なんだか聞いてる俺が馬鹿っぽくて恥ずかしくなってきた。
『写 メ は?』
すごい必死な目で訴えてくる壱。
「写メは撮った?」
「それがさあ、みんなドーナツ持ってんじゃん?俺、ドーナツが気になって気になって。じーっと見てるとみんなくれるんだよね。だからずっとドーナツ食って話してた」
あははって話す春の少し後ろで壱がガッツポーズした。
ははっ、良かったな。
壱には後でジュースでも奢らせるか。
「へえ。…ってかそんなに食ったのにまだ食うんだな」
「もちっ!」
「じゃあ、俺と春は制服教室だから着替えて来る」
さっきの必死な目とは違い、笑顔で言った壱。去り際に口ぱくでさんきゅって言ってた。
「了解。ここら辺で待ってっから」
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