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別れの日(過去)




病院に着いた時にはもう遅かった。



元々色白で病弱な母さんだったけど、もっと温かくて綺麗な白だった。



冷たい。
これが生きてる人と死んだ人の違いだな。


その違いはかなり大きいけど、今は突然過ぎて視覚から入る情報と触れた肌から感じる情報しか分かんないよ。



俺はどの位ここに座ってたのかな?



分かんないや。
分かんない。
分かんない。



何も分かんない。



肩に誰かが触れた。
小さくて俺と同じ位の大きさの手だ。



温かいな、春。



「…っ…うぅっ…」



泣いてる?春。
春が泣いてる。
どうしたんだよ?



俺の膝に置いてた手に雫が落ちた。
冷たいよ、…春。




でもこれは春のじゃないな。



分かってるよ。
分かってる。



「…いち…っ…」



ぎゅって抱きしめられた。
温かいな、春…



「……っ…うぅ………うわあああん…」



嗚咽が漏れて泣き叫んだ。



春が泣いてたから思い出した。



もう会えないって。


もう壱って呼んでもらえない。
もう一緒に笑えない。泣けない。
もう……全部の『一緒に』がなくなった。


母さん…どうして俺を置いてくんだよ?



俺1人で生きてくの?



これから?ずっと?



ひとりで?




ぎゅー




「…いち…っ…おれがいるから…ずっといっしょにっ…うぅ…おれがいちをまもる…っ…!」




「「うわあああん」」










もう春は忘れた?
あの時春が一緒に泣いてくれた。


俺は一度だって1人じゃない。


春、あの時お前が俺を守ってくれるって言ってたけどもう十分守ってもらった。

だからこれからは俺がお前を一生守るから。



離れんなよ?






―atom書き―


いっちゃんのママが亡くなった時のお話(;;)

そしていっちゃんが春ちゃんを好きになった要素その2的な…
その1は馬鹿なとこ…





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