[携帯モード] [URL送信]




泣きそうになっている春から、テストを取り上げた。


「あはは!まじで佐々山春って書いてんよ」


「間違えたあ」


机にうなだれる春。



嫁がれてんぞって、壱に小さな声で言ったら、うるせぇよって照れを隠すようにそっぽを向いた。


「春、まじ勉強しろ。これやばいって。壱に教えてもらえよ」


「うぅー‥。壱、教えてー」



うるうるの目で、前の席に居る壱に訴える春。


「………」


壱は上目使いのような眼差しで見つめられ、固まった。



プッ。断れんのかよ。



「………つ…堤に教えてもらいなさい」


可愛すぎると思いながらも、目をそらしてたどたどしく言う壱。



「は?俺?壱が教えてやれよ」


つか断んのかよ。



「俺は一般常識担当なんだよ」



「一般常識って。お前が教えてんのは一般常識じゃねーだろーが」



「まあ、良いじゃないか!86点の準優等生くん」

ポンと俺の肩を叩く壱。



準優等生とかうぜえ。
しかも点数見られてんし。


「そうだそうだー!!勉強教えたまえ、準優等生くん」



「調子に乗んなよ、馬鹿春。お前なんか「うわぉっ!!」点じゃねえか」


睨みながら点数を暴露しようとしたら、春は必死になって遮った。


…ちょっと楽しい。



「あぶねえな!!プライバシーの侵略だぞ」


「「………。」」




「春、お前もう喋んな」


壱は春の方に向き、春の肩にポンと手を置いて言った。


「言えてる」


「何でだよー!?!?」





[*前へ][次へ#]

8/15ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!