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文字のくせに



壱side→



俺が春と初めて会ったのは幼稚園だったかな?
確か春が途中から入園してきた。



第一印象は…誰かに似てる。だった。



誰だっけ?毎朝洗面所で手ぇ洗ったり、歯磨いてたりするとき、鏡で必ず見る顔だ。ガラスとかにも写ってるな…。



…あぁ、俺か。



自分自身でもはっきり思う。
こいつの顔、俺に似すぎだろ。



向こうもそう思ったみたいで俺たちは磁石に引き寄せられてるみたいに近づいて仲良くなった。



まだ俺の母親も生きてたし、シングルマザー同士で親も仲良くなり、家族ぐるみの付き合いになった。



一緒に居てこいつ馬鹿だなって事がすぐにわかった。


でもその馬鹿さが可愛くて仕方なかった。周りのやつは春の馬鹿さに段々苛立ったりしてダルいって言うけど、俺はダルいって思ったことが無い。


むしろ目が離せなかった。
周りが春から離れるたびに俺だけが春を分かってやれるって思った。
俺だけの春だって。



小さかったし、この考えがオカシイって全然思ってなかった。



でも小学校3年の時知ったんだ。俺の頭はオカシイって。







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