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薄桜鬼
子供は女の子で

この地に来て、総司さんとの暮らしにも慣れてきた。

毎日が幸せで、毎日が思い出になる。


いつ終わる生活かわからないから毎日を大切にする。



そんなある日のことだった。



「千鶴。ちょっといい?」


聞き慣れた温かな声に私は応える。



「どうしたんですか総司さん?少し改まった感じがするのですが…。」


「うん。お願いがあってね。」


「はい?」


「僕、千鶴との子供がほしいな。」


「……あの、それはあれがあーで、こーで、そーいうことで…。」



咄嗟のことに対応できない自分が少し哀れになる。


要するに総司さんは、



「今夜あたりでも子供作りにはげもうか。」



ですよね。
そういうことですよね。



「こ・子供はほしいですけど、今夜って…。」


「できるだけ早いほうが僕としてもいいしさ。ねっ?」


「そうかもしれませんが…」



この言葉が仇となった。



「よし。決まりだね。今夜は覚悟しといてね。」



総司さんの笑顔はとても美しいすぎて、反論することもできず流されていくばかりだった。




外に行ってくるねと言い戸口に向かう総司さんが一言


「千鶴の鳴き声が楽しみだな。」



と言った時は覚悟を決めなければと思うしかなかった…。





【子供は女の子で】





(「あの、総司さん体は…?」)

(「ああ、子孫繁栄のためなら疲れは知らないから。心配しないで。」)

(「それよりも、僕は女の子がほしいな…」)

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