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返品不可なんで!!(赤司)




※赤司と付き合っている設定です








現在赤司邸でテレビを見てるなう。



部活は体育館の工事のため久々のお休みだ。

…ということで隣の家の幼馴染であり彼氏の征君のお宅に突撃したのだ。

征君は泣きまねをすれば、許してくれるので普通に家に侵入できる。



まぁその後、毎度のことながら嘘泣きだとバレて鉄拳が頭上から降ってくるが…。






『メリアーナきれいだね。
その瞳に吸いこまれてしまいそうだ。』

『マイケル…嬉しい。
あなたの手、好きよ。大きくて暖かいんだもの。』

『メリアーナ…。』

『マイケル…。』






((おぉ…鳥肌たちそうなぐらい気持ち悪い))



グビっと征君に出されたお茶を一気に飲み干すのだが、甘くないはずの麦茶が甘く感じた。

何だこのドラマ。

昼ドラ終わったな。

しかし他にも見るものがないため、仕方がなく見ているのだがやはりつまらない。






「…………。」

「…………。」

「…………。」

「…………。」






気まずい。

果てしなく気まずい。

別に征君にあんな甘ったるいセリフを言ってほしい訳じゃないし、今のままのバカやってる関係で私は十分満足している。

逆に征君からそんなこと言いだしたら吐くわ。






『ずっと君に言いたかったんだ。』

『何?マイケル。』

『………君といつまでもこうやって愛を囁いていたいんだ。
だから結婚…、しないか?』

『ま、マイケル…。』

『ダメか?』

『ううん…嬉しいわ!マイケル!!』

『メリアーナ!!』






結ばれちゃったよ。

てかこれ最終話?全部で4話しかないってことになっちゃうんですけど。

隣にあるふかふかのクッションを握り締めてギューっとしていると、何処からか腕が伸びてきてクッションを奪われる。

その腕の正体は決まってる。

この部屋には私ともう一人しかいないのだから。






「征君返してー。
うちのクッションとは比べ物にならないくらい抱き心地が気持ちいいんだからー。」

「……名前。」

「ふぇ…どうしたの?そんなに真剣な顔して…。」



______まるでさっきのドラマみたいな顔して






そう言おうとしたが、腕を引かれ征君の腕の中にいた。

ドキリと心臓が鳴るのを感じる。

言葉を発する空気でないのを感じて、征君が話すのをただ待つ。






「名前…。」

「うん何?」

「……名前はああいうのが好きなのか?」

「へ、あぁあのドラマのこと?
別にすきってわけじゃないよ。」

「そうか…。」

「うん。」

「…………。」

「…………。」

「…………。」

「…………。」






またしても沈黙。

本当にどうしたのだろうか。

まさか熱でもあるんじゃ。

それならば先ほどからの行動も納得できる。

そっと手を征君の前髪を掻き分け額に触れようと思えば、再度腕をとられ視線が合う。

やはりその瞳は熱がこもっていて自然と息を呑む。






「名前、お前には悪いと思っている。
本当は買い物などには行かせたいんだが部活で忙しくて辛い思いをさせてるだろう。」

「えっそんな…!!」

「でも名前は優しいからそんなことはないと言うだろうな。
現に今もそうだった。違うかい?」

「ううん合ってるよ。」

「僕は我が侭だ。
きっと僕なんかじゃなく君をもっと大事にしてくれる奴はいる。
だがそれは嫌なんだ。
お前の隣に僕以外の男がいて笑っているのが…。」

「征君…。」






握られている腕に少し力が加わる。

それほど真剣なんだ。

征君が私のことをどれだけ大事にしているのがひしひしと伝わる。






「絶対後悔させないとは言えない。
甘い言葉なんかを毎日口に出すことは出来ないし、二人だけで一緒に何処かへ遊びに行くこともなかなか出来ない。
それでも僕と一緒にいてくれるか…?」

「そんなの…そんなの。」



_______一緒にいるに決まってるでしょ?






そう微笑むと征君が安心したように笑ってくれた。

私は征君じゃないとダメだなーなんて、さっきのドラマに負けないことを思った。

今のこの関係がとても幸せなんだから…。






「じゃあ……。」

「えっ…?」






すっと左手の薬指にひんやりとした冷たく硬いものが通される。

これってまさか…。






「予約…してもいいかな?」

「これって…。」

「安物で悪いけど…いつか高いものをあげるから…。」

「…っ……ううん、これだけでもすごい嬉しいよっ。」






私の薬指には、装飾が何もついていないシルバーのリングがはめられていた。

サイズがぴったりで流石だなんてクスっと笑って涙でぐちゃぐちゃの顔で笑う。







「返品不可能だから覚悟しておいてよ?」

「あぁそのつもりだよ。」






シルバーのリングが私たちを見守るように輝いていた。












返品不可なんで!!

((えへへ大輝に報告しよっ!!私たち結婚しまーす…なんてね!!))

((へぇー名前は夫の前で公開浮気かい?))

((ふぇ…ち、違うもん!!…ぎゃーこっちに来ないでー!!))

((躾が必要なようだねニコニコ))





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