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チャラ男の一途物語り
登校
「春ちゃーん」

朝の工藤家に
元気な声が響き渡る。
今日は
栄道高校の入学式。

声の主は
《石田 登》
背は小さく丸坊主。
とにかく元気。
工藤春の友達で
同じ学校同じクラスだ。
「んだよ、
朝からうるせーなぁ。
インターホン押せよ」

文句をいいながら
家から出てくる。

《工藤 春》
登と同じく背は小さい。
頭は相当いい。
勉強すれば
学年でトップを争えるくらいに。
ただ知能を全て
エロとモテることに
使っているため勉強はできない。
というかやらない。

「春ちゃんっ
今日は入学式だよっ」

「分かってるよ。
てかなんで
迎えに来てんだよ?」

「だってまだ
栄道高校に友達は
春ちゃんしかいないから」

「学校で会えんだから
わざわざ迎えになんか
来なくていいだろ」

周りから見たら
春が登を嫌っているように見えるが違う。
こんな感じが2人の
いつものやり取りだ。

「で、早すぎね?
今から行ったら20分くらい前に着くぞ?」

「入学式くらい早く行こうよ!」

「…まぁ行くか」

工藤家から
栄道高校までは
歩いて20分くらいだ。
しかし近いから栄道高校に決めた訳ではない。

「春ちゃん、学校説明会来てないよね?
僕たち1組だよ」

「あっそ」

「1組は4階まで階段上がってすぐだよ」

「4階か、ダルいな」

そんな会話をしているうちに学校だ。

「マジでー?」

「超キモい、
マジないねー」

春と登の横を
栄道高校の女子高生が
通る。
1年生だろう。
真新しい制服に
ギリギリまで短くしているスカート。
2・3年生と比べると
不自然に見える。

「登、この学校選んだ理由忘れてねぇよな?」

急にマジメな顔をした春が登に聞いた。

「当たり前だよ春ちゃん」

マジメな顔をして
登が答える。

「なんといっても
可愛い女が多い!
そしてケツ軽女も多い!!」

「これなら
僕たちでもヤれるよね!?」

「いや、
お前はキモいからムリだな」

今までテンション低かった春のテンションが上がる。

「それで春ちゃんは
もう目当ての女の子
見つけたの?」

「いや、まだだ。
それにせっかく可愛い女が多いんだから
1人に決めるより出来るだけ多くヤることを
目標にするべきだな」

「相変わらず
春ちゃんはチャラいね。僕は1人の女の子に尽くすよ」

そう。
2人は女目当てでこの学校を選んだ。
しかも出来るだけ
簡単にゲットできるよう軽い女が多い
この学校を。

「よし。
じゃあクラス行くか」。

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