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チャラ男の一途物語り
1組
「春ちゃん、このクラスだよ」

「お前、
階段上るの速ぇよ。
てか4階とか超疲れるんだけど。足パンパンだ」
春は中学生の時
何も部活はやっていなかった。
それが災いしてスタミナがない。

ガラッ
登がクラスの
ドアを開ける。
まだ学校が始まるまで25分ある。
当然人はあまりいない。
しかし
4人クラスにいた。

「ほら、全然いねぇじゃんかよ」

「遅刻よりは
ずっといいよ」

春と登が
クラスを見渡す。

「!!!!!」

「どうしたの?春ちゃん」

「さすが栄高だ。可愛い女が早速いるじゃん」

春が最初に
目をつけたのは

《菊野 絢香》
小麦色の肌の
可愛らしい女の子。

「ねぇ、
良かったら名前教えて
もらってもいい?」

春は登の時とは
明らかに態度を
変えている。

「あっ菊野絢香です。」
「なんて
呼べばいいかな?」

春が爽やかな笑顔で話しかける。

「絢香でいいですよ」

「そっか
俺は工藤春。
春でいいよ。
じゃあこれから
1年ヨロシクね絢香」

軽く挨拶をして
登のとこに戻っていく。
「なんでアドレス聞かなかったの?」

「バカかお前?
いきなり
アドレス聞いたら下心あると思われるかも知れねぇだろ。
そんなんも分かんないから童貞なんだよ」

高い知能を
エロとモテることだけに使っていることはある。

「な、なるほど
流石だね。春ちゃん
でも春ちゃんも童貞だよね?」

「うるせえよ
中学にはブスしかしなかっただろが」

「春ちゃんは
モテなかったからね」

「いいか登
学校で中学の
話はするな。
なんの為に
中学の奴がいない
高校選んだか
わかってんだろ」

「そうだったね
僕たちは生まれ変わったんだよね」

「そうだ
もう中学の時の俺たちじゃない」

春と登。
2人は中学時代
いわゆる陰キャラで
イジメられていた。
その分
高校生活を充実させようと考えていた。

そうこうしている内に
だいぶ人が集まって来た。

「けっこう集まったな
よし。登、しばらく別行動だ。お前も目当ての女探してこい」

「わかったよ春ちゃん」
2人は気合いを入れ
クラスをうろつく。

春はテンポ良く
女子に話しかける。

女子に
やたら話しかけたら
チャラいと思われる事は百も承知だ。
しかし春は
チャラい事だけは
どうしようもないと考えていた。
ガララッ
「ふぅー間に合った」

勢いよくドアを開けた音がした。

学校が始まるまで
あと2分。

みんな一斉にドアに
注目する。
当然、春も。
遅刻ギリギリに
来たのは

《安東 実沙》

「実沙遅いよー
ウチずっと1人だったんだから」

実沙に声をかけたのは

《渡辺 梨恵》
実沙の友達だ。

「ごめんねー
いきなり寝坊しちゃって」

春は実沙を
ただじっと見ていた。
体に衝撃が走ったとか
そんな表現があう。

春は完全に実沙に
一目惚れしていた。

春は早速
声をかけようとした。

ガラッ
またドアの開いた音で
春は動きを止めた。

「チャイム鳴るぞー
席着けー」

「担任か?
タイミング悪い」

春は実沙に声を
かけられなかったまま
ホームルームが
始まった。

「今日から1組の
担任になった岡山だ
1年間ヨロシク」

誰が見ても体育会系だと分かるほど体つきが
良かった。

「じゃあとりあえず
今から体育館で
入学式やるから移動だ
その後自己紹介やるからな」

「入学式…
どうするか」

春は迷っていた。

予定では入学式を使って他クラスの女子を
チェックするつもりだった。
だか今は
実沙の事を考えると
そんな暇はない。
まだ会話すら
していないが春は
実沙に高校生活を
捧げる覚悟ができていた。
少しでも時間が
できたら実沙に声を
かけよう。
と考えを変えた。

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あきゅろす。
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