小説２
黒翼塔の王冠＊
天使のような姿の悪魔は金の目に禍々しい狂気と愉悦を滲ませ笑った。
悪夢のような空間で、気味の悪い肉片たちが動く音が辺りにどんどん満ちていく。
恐怖に駆られたジェムの体をゆるゆると締め上げ、触手が無理矢理上へ顎を持ち上げた。
「ぅあ…んぐぅ！？」
不意をつかれ、強引に細長い肉塊が口腔へ押し入ってくる。頭を固定され吐き出せない。ヌルついた生ぬるい感触に激しい嫌悪と嘔吐感を感じ、噛み切ろうと歯を立てるがブヨブヨとした触手は弾力があり、口にどんどん入ってくる。
「っ…んく…ぅ゛！」
歯を立てた事をまるで咎めるかのように、下肢へ絡んでいた触手に性器を縛り上げられた。加減されてはいるが、鋭い痛みに呻き声が漏れる。
たまらず無意識に口内の力を緩めると、今度はほめるように性器をゆるゆると撫でられた。
だがその刺激に気を取られ、口に入った触手の異変に気づくのが遅れたのだ。肉塊は先ほどのように先端をパンパンにふくらませ、口内いっぱいになった後、喉の奥をめがけて勢いよく大量の白濁を吹きかけた。
「ぅあ゛―！？ふぐっん゛んん――!!」
口内は肉塊でいっぱいで、ドプドプと溢れる液を全ては吐き出せない。頭を押さえつけられ、胸や腹にまで白い液を垂れ流し、ジェムは咽せかえりながら無理矢理得たいのしれない異形達の体液を飲まされた。
その生理的なおぞましさと、窒息しそうな苦しさに目尻に涙を浮かべるが許されない。ドロリと喉に絡むソレを、放出の勢いがなくなるまで延々飲まされた。
「はっ、はぁ―ぅうう゛っ―」
怒張のおさまったそれがズルリと引き抜かれやっと息が満足にできる。しかし己の体内まで汚物に汚されたような、例えようもない嫌悪感でいっぱいになり、己すら全てがおぞましいモノのように感じた。
酷いショックに耐え俯いていたら、いきなり『ドク！』と胸が大きくなり、驚きに息を飲む。
胸の音は止まらず、ドクドクと足早に心臓がなり、体がカッと火がついたように熱くなった。
先ほど液を体にかけられた場所も燃えるように熱い。
「体が…おかし、ぃ…はぁはぁ―くぁっ、俺に、何をした…！」
体の熱が、徐々にジンジンとむず痒くうずいていくのがわかる。胸が、独りでに固くなる性器が、陰嚢やその奥の今は口を閉じた入り口が、熱くかゆみを増していくのだ。
それに合わせて、うずく箇所をなぞるように撫で擦っていく触手の感触に感じたことのないような快感が沸き上がってくる。
性器に絡みつき、刷り上げるようにされると痒みが緩和され、もっともっと擦って欲しくなった。
そのとき突然胸が張るような感覚に驚いて胸を見下ろすと、両の突起が見たこともないほど勃起していたのだ。
小さな小さな粒だった突起が精一杯立ち上がり、尖りきっている様は卑猥だ。考えなくてもわかるほど、そこは敏感になっていた。
そこに触手が容赦なく腹を這い上がってくる。
「やめ、やめろっ触るな―っつ!?」
胸を揉まれ、突起を擦られただけで電流のような快感が背中を駆けめぐる。ジェムは思わず背を弓のようにそらせた。
胸などで感じたことなど今まで一度もなかった。なのにそこへの刺激は快楽と直結したかのように下肢へ響き、早くも性器から白濁がトロリとあふれ出してくる。
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