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小説2
黒翼塔の王冠


「……あつ、い…」
得体の知れない液がかかった所から、徐々に熾き火に灼かれるような熱さが沸き上がってきた。

「ジェム。気持ちいいかい」
「…るーふぁ、なにを…し…ぅ」
「お前が楽になれるようにする薬さ。はは…もう感じてきたのか、もっとよく見せろ」
ルーファがまた指を動かすと、縛っていた触手がジェムの体を引き上げ、ルーファのすぐ近くに向き合わせる。そして2,30センチほど空中に浮いた所で、足に絡んだ蔓が蠢き、無理矢理M字のように膝を立て足を開かされた。
熱くたぎりだした肌がどんどん紅く染まっていくのがわかる。
「……美しいな」

逞しく隆起し、無駄な肉のいっさいない雄の体が両手を上で縛られ、全裸で足を開いて羞恥と屈辱に染まる様は本当に美しかった。
長年傭兵として何十年も剣をふるい、何百何千の人間を斬り殺してルーファの下で数万の兵を率いた男だ。
数国に一人といない最高峰の男が矜持を女のようにへし折られる様は、どんな男をも釘付けにするだろう。
「ゃめ、やめろっ…!お前は…何がしたいんだ!」
もともと険があるつり上がった男らしい柳眉が、羞恥と怒りに真っ赤に目尻を染め、こちらを睨みつける。
その黒曜石の目に自分しか映っていないのが嬉しいのか、ルーファは天使のような笑みを深めた。


「ジェム。俺はお前の全てが欲しいんだよ。全部全部昔から欲しかったんだ」
子供のころから犯してやりたかった、とウットリとした顔でルーファが目を細める。
その犯すという凶器のような単語がジェムの頭をまわり、ジワジワと浸食していくようだった。
ルーファは手をのばせば届く位置にある、ジェムの腹を撫でた。
「これからたっぷり時間をかけて、ここに俺の子を孕ませてやる。お前に女の膣をつくってやろう。そして俺をここに受け入れるんだ」

恋人にする睦言のように囁かれた言葉は甘い。
しかい、ジェムは今まで感じたこともない悪寒に凍りつき、初めて体をガクガクと震わせるほど恐怖におののいた。

「そ、んなこと無理にきまってる…できやしない…」
目の前の悪魔はいったい何を言っているのだろう。
自分は男だ、華奢さの欠片もない2メートルはある闘士だ。できるはずがない…そう言い聞かせないと頭がどうにかなりそうだった。出た声の小ささに奥歯を噛む。

「今の俺ならできるさ、時間はかかるがな……恐いのか?大丈夫。お前に痛いことはしない」


「特に今日はやっとお前を捕まえた…大切な日だから…」

「大事に大事に………お前を壊す」




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あきゅろす。
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