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小説2
黒翼塔の王冠*


ルーファは泣き叫ぶキャロルを延々と犯し、突き上げその膣内を、異形の者となった己の精子で犯し続けた。
俺のすぐ目の前で、キャロルの乳房をねぶり、尻の肉に指をうめ揉みしだいて、陰毛をかき分け雄で嬲っていく。

ルーファは、キャロルを犯し、愛おしむように俺を見ながら語った。
この空間は、現世とは切り離された異空間であり、ルーファの本当の体は今だ手足の健を切られ舌を抜かれ皮を剥がされた木偶の人形なのだということ……だから、現世に戻るには新しい肉の器が必要なのだということを…

「キャロル…ここに子供がいるね。ジェムの…」
キャロルの腹に手をかざし言うルーファに、俺とキャロルは目を見開いた。俺達の子がキャロルの腹に宿っていることを俺達は知らなかった。
そんな俺達を見やり、ルーファはニィ、と口角をおぞましくつり上げた。

「お前達の子の体を、現世へ帰るヨリマシとしてもらう」
いっそう酷く、狂ったように泣くキャロルの腰を後ろからわし掴み、情け容赦なく責め立て、ルーファは何度目かの射精をキャロルの中に注いだ。

ルーファが離れる頃には、キャロルは腹を押さえ、苦悶し床に背を丸めてうずくまっていた。俺がどんなに叫んでも、あいつの元へ向かうことはできない。

やがて、キャロルは悲痛な叫び声をあげ『何か』を産み落とした。


そこで視界は黒く塗りつぶされ、意識はプッツリととぎれた。

意識が戻ったのは深い森の中だった。今のは悪い夢だったのかと目の前の木々を凝視し、そしてそれが間違いでなく現実だと瞠目した。
深い森の中は辺り中、食い散らかされた仲間達の残骸でいっぱいだった。そしてボォ、っとした目でどこを見ているのか分からない陵辱されたままのキャロルが俺の腕の中で放心していた。

俺は何度も吐き泣きながら仲間達を埋め、気のふれたキャロルを連れて山奥にすむ昔の友人の元へ向かい、その後一年、傷を癒した。

しかし、その一年の間にも世界は刻一刻と急速に変わっていた。ルーファは何事もなかったかのように国へ戻り、元の国の英雄として猛火を震い、次々と諸国を攻め滅ぼして領地にしてるというのだ。
こんな許し難い事がこの世にあるだろうか。
キャロルが産み落とした俺との子は、ルーファの肉の入れ物としてあの男に今も呪い動かされているだけだ。
中身はこの世を滅ぼす魔王の申し子だ。

俺は、キャロルを友に預け、山を下り、俺を捕まえ捕らえようと常にねらってくる魔物達を斬り殺しながら城へ向かった。


ちょうど、ルーファが城の姫との婚礼を済ませた日の夜、俺はヤツの部屋へ忍び込み、ちょうど背を向けていたヤツの背中に斬りかかった。

「……まっていたよ…ジェム」
明朗感すら感じる熱の籠もった声が耳元でした後、振り返ったルーファの暗く輝く金の目に俺は呑まれた。



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