小説2
黒翼塔の王冠*
ダイアナの笑い声が、楽しげに背後から響く。
「いい匂い…素敵ね」
そう言いながら、背後からうなじに口付けられ、ビクリと身体が跳ねた。
腰をダイアナの前にさらすように持ち上げられた。
「3日前あなたがルーファス様に初めて犯された時もすごく素敵だったわぁ。みんなで見てたもの。あんなにルーファス様を憎んでたのに最後は娼婦のように腰を振って可愛かったわよね。イきたいイきたいって泣いてたじゃない」
気絶して目覚めるたびに、今だ犯されたままの自分を見て子供みたいに泣いていたわ、と楽しそうにダイアナは囁きながら、背を上から下へと舌でたどっていく。
ダイアナは、無邪気に残酷に笑いながら毒のような言葉をジェムの耳へたらし込む。
ねぇ、殺したいほど憎い敵(かたき)に毎日いいように犯されてどんな気分?ルーファス様に毎日どんないやらしいこと教えてもらってるの?
と、ジェムの苦悩を煽り、屈服感と羞恥心を巧みに焚きつけていった。
背を這い、ゆっくりと腹から腰へ唇でたどっていく。
「あぁ、ここが一番いい匂いね。」
ダイアナがそう言ってジェムの露わになった後孔に指を這わせる。
「……ッ!」
その感触に驚き、嫌悪と恐怖にジェムが身体を震わせた。
触るなと叫んで暴れ出したいほど嫌なのに、声すら出ないことがジェムを追いつめる。
「ふふ…昨夜もルーファス様にここをいっぱいグチャグチャにされたんでしょ?わかるわぁあなたの甘い匂いとルーファス様の精子が混ざってすごく美味しそう」
「…くッ」
ダイアナの言葉にカァ、とジェムの全身が朱に染まる。
ジェムの双丘をダイアナが笑いながら割り開き、露わになった後孔へ身をかがめた。
ダイアナが笑うたびに、空気が震え、吐息にすら肌が震える。
そして、硬く閉ざされた後孔のふちをゆっくりと舐め上げられた。
「…!?…ぁ、あ!」
まさか、そんな所を口で、舌で触れられるとは思いもよらず、頭を殴られたような凄まじい衝撃を受ける。
凍り付くように身体を硬直させたジェムにかまわず、ダイアナは飴でも舐めしゃぶるかのように後孔の周りを濡らしていった。
ぬめった舌が良いのか、潤いを与えられた入り口が、徐々にひくつくのが視て分かる。
ジェムは声にならない呻き声を上げながら、荒い息をついた。
女のような魔物に良いように秘部を嬲られる屈辱に頭の芯が焼き切れそうだった。
しかし、ダイアナの容赦ない攻めとなじるような言葉の応酬は終わらない。
「…んッ、気持ちいいの…?まだ入り口だけしか苛めてないわよ淫乱ね。ここがとろけて感覚が無くなるくらい舐め続けてあげようかしら」
そう言いながら、ひくつく小さな綻びを、チロチロと尖らせた舌先でくすぐってくる。
「惜しいわね。ルーファス様の言いつけがなかったら完全な男性体になって後ろからこれで犯してあげるのに」
残念そうに囁かれたと同時に、太股へ熱く大きな猛りが押しつけられ、、血の引くような感覚に目を見開く。
うまく動かない身体をひねり、後ろを振り返ると、ダイアナの腰布から取り出された大きな雄の象徴が天を仰ぎ、ジェムの太股にこすり付けられていた。
豊満な胸や華奢な身体は視る通りの女なのに、肌に触れる反り返った雄は酷く熱く硬かった。
美しい相貌は美女のそれなのに、目を細める仕草がなぜか蛇を連想させた。
ダイアナは光る目を細め、ゆっくりと笑う。
「まぁいいわ。かわりに私の長ぁい舌であなたのここをいっぱい広げながら中を味わってあげる」
艶めかしく開いた口元に己の指を這わせ、ダイアナは見せつけるように紅い舌で唇を舐め上げた。
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