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小説2
黒翼塔の王冠*


日も射さない真っ暗な黒い巨塔の奥の奥。
普段は醜悪な異形共の住処となっているそこは、いつもと違った化け物達の興奮した気配で満ちていた。
朧気な蝋燭の火が異様な光景を照らし上げる。

「ぁぁあッ――ゃめっ…ぅああ゛」

ぶよぶよとうねる腸のように赤黒い触手が全身に絡みつき、中央にいる人間の体中をはっていた。
衣服を全て破かれた長身の男が、触手に四肢を四つん這いに拘束され、尻を高々と上げさせられ苦悶していた。
よく見れば触手は男の胸や性器、そしてアナルにまで細い触手をのばし、アナルの中まで犯しながら蠢いている。

「ぃやだ、、っくそ、、ぃ、ゃだぁっ」
長身の男は、精悍にととのった男らしい顔を激しい苦悶に歪め、奥歯を噛みしめる。

そんな男を、陶然と笑みながら眺める男がいた。
王座のようなイスに腰掛ける男は、まるでこの世の者とは思えないほどに整った美しい相貌の人間だった。
どんな美女よりも美しく、そして長身にあった美しい筋肉がスラリと綺麗についているのが見て分かる。波打つ銀の長髪が真っ白な顔の縁を彩り、頬は薔薇色に色づいていた。
しかし、なにもかも整った中で異色なのが、鋭く瞬く金の目だ。
まるで獲物を狙い狩っていたぶる支配者のような目を愉悦に染めて、恍惚とこちらを見下ろして来るのだ。

黒いマントに身を包み、薄暗い室内で、男の目だけがギラギラと光り、口元を婉然と微笑ませている様が恐ろしい。

そんな背後で笑う男を、触手に拘束されたままの長身の男が憎悪に目を見開いたまま睨み上げていた。

彼の名はジェム・D・ブラック

王座に座るルーファス・ロイ・アレクシエルの幼少からの友であり、血を分けた実の父親だった。



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あきゅろす。
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