超短編
lacrimare
俺は今
ピアノの好きなお姉さん……いや俺の母親を追いかけている。
どんなに叫んでるのにきこえなくって
『まって!!…またピアノを教えてよ!!…なんで遠くにいくの!!…まってよ!!』
「「行かないで!!!!!」」
バッッ
「はぁはぁ…はぁ……夢か……」
「はぁ…はぁ…ん…今の…夢?」
「「…獄寺/山本夢か?」」
「あぁまぁな」
「俺も…ちょっと嫌な夢見ちゃってさ」
「お前も嫌な事なんてあるんだな」
「あるよ…獄寺みたいにドロドロのぐちゃぐちゃまではいかないけど…」
「…」
山本…今にも泣き出しそうなのに…どうして無理して眉間しわ寄せて笑ってんだよ…
泣きたいなら泣けよ…
何で泣かないんだよ…
「えっ!!!!ちょっと!!なんで泣いてんの!!」
「ふっ…うっ…」
「泣かないで……俺獄寺に泣かれるとどうしたらいいかわかんなくなる…」
「…んじゃ…グスン…お前……苦しそうに笑うなよ…!!」
「えっ…」
「泣きたいなら泣けよ!!……なんで…なんで無理して笑うんだよ…!!」
「なんでといわれると、…なんか……笑わないと…自分を…保っていられなく……なるから………かなっ」
「…グスン…俺がいるんだから…肩ぐらいかせるから…だから…
そんな…無理して…
…笑わないで」
俺、お前になんもいってやれねぇーけど、肩ぐらいなら貸せるから……
涙のあとに
あの日だまりのような笑顔を
見せて?
「うん…わかったっ…肩…借りるな?」
「うん……」
そして
山本と俺は声を殺して、肩を震わせて
俺の肩と山本の肩を静かに濡らすだけだった…
うわっ…なんだこれ……
題名の意味はイタリア語で涙を流す、泣くです。
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