第一催眠マジックショーA

 リンゴから引き抜いたジョーカーカードの表面には、果汁に反応して『詮索無用』の文字が、じんわりと浮かび上がってきた。
 ひょ〜と口笛を吹いて肩をすくめる男性マネージャー。
「はいはい、わかりましたよ、下手な詮索はいたしません。金曜日の前日にいつものマンションの一室に、被験者のオスが行くように手配するから、導入催眠を施しておいてくれよ
 そう言って、男性マネージャーは冷夢の控え室から出て行った。

〔裏世界〕金曜日夜……地下クラブ、冷夢の控え室。
 控え室に入った冷夢は部屋の中に、太モモにピタッと両手を密着させた、直立不動の姿勢で立っている全裸男性を見た。
 男性の瞳は自我の輝きを失い、催眠状態で操られているようだ。
 冷夢は男性の露出した性器にも動揺するコトなく、男性に近づくと裸体を観察してから触りまくった……胸板から腹部……手足の先から……臀部、背中……そしてチ●ポとキン●マ……アヌスまでも冷夢は男性の健康状態を確かめるように、指で押し拡げて直腸内を観察した。
 男性は無抵抗で、冷夢の弄び観察を受けている。

 冷夢が言った。
「昨日の催眠導入は効いているみたいね……覚悟はいいわね、今日はあなたの肉体を使った『淫らな催眠マジックショー』をするわ。あなたを今から被験体のオスと呼ぶ……自分がどんな状態になっているのか説明しなさい」
 オスが、虚ろな目で返答する。
「はい……オスは、催眠術にかかっています……どんな淫らなことも受け入れますので、この体を自由に弄んでください」
「完璧……控え室内にあるトイレで放尿を済ませたらシャワーを浴びて、用意されている衣装に着替えて。あたしも一緒に放尿してシャワーを浴びるから」
 そう言って冷夢も衣服を脱いで全裸になると、オスの手を引いて控え室に設置されている。少し広めの部屋にあるシャワー室が接したセパレートタイプトイレの洋式便座に座った。

 便座は二つあり、なぜか向かい合った形で設置されていた。
 冷夢が裸で洋式便座に座ると、オスは裸で冷夢に背を向けて放尿を開始した……冷夢はオスの背中と尻を、オスは振り返って座っている冷夢を……互いが放尿している姿を見る。
 放尿が終わり、中腰でウォッシュレットした秘部をテッシュペーパーで拭きながら冷夢が言った。
「どうして、互いに裸で向かい合ったトイレに入るのか不思議に思ったでしょうね……裏の催眠ショーは催眠にかかる被験者と、催眠をかける処術者との間に信頼関係が成り立たないといけない……最初に互いの裸を隠さず見せて、羞恥の放尿で互いを晒け出してリラックスする……これが、催眠マジックショーを行う前の、あたし流のリラックス方法よ。もちろん、この方法は被験者が女性でも関係なく行う
 トイレからシャワールームに移った二人は、泡だらけになりながら互いを抱擁して裸体を洗い。
 裏の催眠マジックショー用に用意された衣装に着替えた。

 オスの衣装は下着なしで、体のラインと股間の性器の形がくっきりと浮かぶ『キャットスーツ』衣装〔ナマズの英名・キャットフィッシュからきた、体に密着したラバーやシリコン製などの光沢があるフィットスーツ〕を着て。
 冷夢は両方の乳房が丸出しのバニーガール風タキシードで、下半身はヒール靴以外は何も身につけていない露出姿だった。
 冷夢がキャットスーツを着たオスの形状が浮かんだ男性性器棒を、さすりながら言った。
「さぁ、淫らな催眠マジックショーの開演よ」 


 地下社会の会員制秘密クラブに……目元だけ覆い隠す仮面舞踏会〔マスカレード〕マスクをして素性と身元を隠した金持ちたちが注目しているクラブのステージ上に。
 淫らなステージ衣装に身を包んだ冷夢と……イタリアのカーニバルで市民が仮装に使用するミステリアスなベネチンマスクで鼻筋から額にかけての部分を隠した、裏催眠マジックショー専門の男性アシスタントがステージの両側から現れると、客席から一斉に拍手が沸き起こった。


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あきゅろす。
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