愛抑止A あたしタコとヤッちゃいました

 軍医タコは夕暮れに一人〔一匹?〕テントの中でクローンカプセルの上に座った、呪術師の残留思念と会話をしていた。
「そうですか……宇宙人は、あなたの遺伝子もベースに『裸族人類』を作ろうとしていましたか」
《そうなんすよ……島民全員の遺伝子を収集していたみたいですけれど、いくら手を加えてクローンを作ってみても『裸族人類』にはならなくて……宇宙人は『品種改良の失敗』って言っていたなぁ。宇宙人が島を去る時に採取して操作した卵子と精子の遺伝子は全部、海洋廃棄したみたいですけれど……海の中で勝手に卵子と精子が海洋生物と子作りをはじめてしまって……交流が特別に深かったあたしの無精卵子だけは友好の記念に樹脂加工してカプセルに残してくれたんです……将来、クローン体に残留思念を移して復活できるようにしてくれて……宇宙人あざーすっ》
 軍医タコは残留思念が指差した、カプセル下部の小さな扉を開ける……扉の中には、手で持てるサイズの樹脂で出来た正六角柱が入っていて樹脂の中に人間の卵子があった。
「これですか、保存状態はまあまあですが……千年以上前の少し萎びた卵子で、賞味期限切れなので。一回のクローニングが限界ですね
 軍医タコは呪術師の卵子をクローンカプセルにもどすと、テント外に目を向ける。
「どうやら、わたしのココでの行動を快く思っていない人の手の者が、やって来たようですね」
 軍医タコがテントの外に出ると、双子の女子生徒がチェック柄の短いスカート制服姿で立っていた。
 姉の方は手にアーミーナイフ、妹の方は金属バットを握っている。
「うわっ、本当にオレンジ色のタコ宇宙人だ」
「刻んでタコ鍋にしちまえ」
 軍医タコが落ち着いた口調で言った。
「鍋のダシは塩味ですか? 味噌味ですか? 鍋奉行のわたしとしては、素材を鍋に入れる手順を、黙って鍋の中で見てはいられませんね」

 軍医タコの言葉にキョトンとした姉妹は、いきなり下着の隙間から陰部に侵入してきたニュルッとした異物の挿入を感じた。
 いつの間にか、地面を這って姉妹の後方に回り込んでいた。軍医タコから伸びる一本の触手は途中から『Y』字の二股に分かれ。
 姉と妹の膣穴に入ってペニスのように蠕動〔ぜんどう〕運動をしていた。
「なにこの触手? あうぅぅぅ!?」
「気持ちいぃぃ!」
 ドプッ……触手の先端から体液のようなモノが、姉妹の体内に放出された……軍医タコが言った。
「さあ、一年前に亡くなった幽路について知っているコトを、すべて言いなさい」
「誰がタコなんかに……ココココッコケーッ!?」
 姉の口がクチバシに変わる。
「お姉ちゃん、顔にクチバシが!? ケッコーッ」
「あんただって鶏冠〔とさか〕が……コッコッコッコッ」
 姉妹の尾骨に鶏の尾羽根が生え、両手両足がハ―ピーのような鳥類の手足に変わっていく。
「これはまさか……鬼畜の呪い!? コッコッコッ、何をしたあたしたちの体に何をした!?」
「あなたたち姉妹に挿入したのは、わたしの生殖器です……あなたたち姉妹はタコと交尾……つまり、愛が無いセックスをしたのです」
「コッコッコッコッ……そんな、どうしてあたしたち姉妹だけに呪いが!? そっちだって愛の無い交尾を? コッコッコッコッ」
「わたしタコですから、異形の者や人外には呪いは効かないみたいですね……喋れるうちに話して、楽になった方がいいですよ……幽路のコトを……幽霊のコトを」
 妹が喋りはじめる。
「コッコッコッコッ……幽路は、あたしたちが【対価】っていう援助な交際を計画していたけれど、呪いが怖くて実行できなかった時……えーと? 誰だっけ? 校長先生の息子の……顔と名前が出てこない、いつも分厚い本を持っている……あの人……ケッコココーッ」
「記憶削除の暗示ですか……いいですよ、校長先生の息子で話しを進めても……どうやらタコとのセックスは、呪いの進行も緩やかのようですね」
 姉妹は交互に喋った。
「どこから聞きつけてきたのか、あたしたち姉妹の前に現れた校長先生の息子は……催眠の暗示で、『鬼畜の呪い』を発動させないようにできると。あたしたち姉妹に接触してきた……そのうえ、どんな方法を使ったのかわからないけれど……廃校舎をラブなホテル代わりに使って【対価】ができるようにしたケッコーッ」



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あきゅろす。
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