【シュガー山脈】A 甘い水女・ウェディング

 ウェディングは、聞かれてもいないのに勝手にペラペラ喋りはじめた。
「あたしたち水女は、ヌードナイトの輸出&流通販売を担当していま〜〜〜す。アナザー・エデン内ではヌードナイトの需要はほとんどないけれど、下の世界では裸族人類の肉体に塗り込む以外にも、最近の研究で活用が発見されて需要が増えていま〜〜〜す」
 軍医タコがウェディングに質問する。
「例えばどんな活用方法ですか?」
「青い肌色をした宇宙人が化粧品の材料として利用したり、着衣人類が加工した装飾品を身につけてベットで欲情したり……いろいろと、はっ!? オレンジ色のタコ!?」
 ウェディングは、ここで軍医タコの存在に気づく。
 ジィーと軍医タコの顔を見ていたウェディングは、安堵したように胸を撫で下ろす。
「闇ブローカーから聞いた赤いタオマフをしたタコとは雰囲気が違うわね……別タコか、あの事件はアナザー・エデン裸女最大の汚点だから……いやぁね、まだ輸出ルートが不安定で、あたしたちもヌードナイトを品定めする目が未熟だったから。粗悪な品質のヌードナイトが闇ルートで下の世界に流れちゃったコトがあってね、大半は回収したんだけれど少量が闇バイヤーからオレンジ色のタコに買われた事件があってね……それがセコいタコで破格値だったヌードナイトをさらに値切らせたみたいで……いやぁ、あたしたちもスイーツだけに考えが甘かった」
「それは大変でしたね、同種のタコ型宇宙人としてお詫びします」
 軍医タコの体がクニュと地面で平らになる……どうやら、最上級の土下座らしい。
 土下座から立ち上がって軍医タコがウェディングに訊ねる。
「あなた方がヌードナイトの輸出&流通販売を担当していると言っていましたが……もしかして、他にもヌードナイトに関わっている裸女グループがアナザー・エデンには存在するんですか?」
「ピンポン! 正解! クソ真面目でレアな裸女グループがヌードナイトの採掘権と、この先にある中継地点まで採掘したヌードナイトをトロッコに乗せて運搬してくる権利を持っているんだなぁ……やたらと『ブリテンの旗の下に……』とか、ワケのわからないコトを言ってくる裸女がリーダーしている。
うちら水女は、オレンジ色のタコには、な──にも遺恨みたいな感情は感じていないけれど。この先にいるクソ真面目な裸女の中には粗悪なヌードナイトが流通した事件を不名誉だと感じて、赤いタオマフのタコ抹殺計画を企てている者もいるみたいだから注意した方がいいよ〜〜ん」
 頭をヌチョヌチョした触手で掻きながら軍医タコが言った。
「やっぱり隊長の軽率な行動に、そこまでの怒りを感じている裸女の方もいましたか……これは生け贄を差し出さなければ、収拾つきそうにないですね」

 ウェディングが言った。
「ちょっと、あんたたちの頼みがあるんだけれど……うちの裸女グループの中で自信喪失している裸男の子がいて、フェラチオしてもらいたいんだけれど……やってくれるよね、やらないとここから先は通さないから〜〜ぁ」
 まったく人の都合は、お構い無しの水女だった。
 軍医タコは淫魔都市でティンポスキーが『シュガー山脈には厄介な裸女グループが居る』と、言っていたのを思い出す。
「フェラチオするのは一人でいいんですか?」
「うん、一人で十分だよ」
 軍医タコがフェラチオ好きな希望者を募ると、響子が真っ先に挙手をした。
「それじゃあ、響子さんがフェラチオしてください……どうせなら裸の方がいいですね。自信喪失している男性はどこに?」
「あたしの前から出てくるよ」



 ウェディングのケーキ前面が左右に開き、中にしゃがんでいた裸男の十七〜十八歳くらいの子が立ち上がる。
 反り返ったペニスをチョコレートでコーティングして、お祭りで売っているように、カラフルなカラースプレーでチ●コをトッピングした 裸男『チョコバナナ男』だった。
 自信が無さそうにオドオドしているチョコバナナ男について、ウェディングが軽く説明する。
「チョコバナナくんには、一つ年下の妹のリンゴアメちゃんがいるんだけど……この前、リンゴアメちゃんの方が先に旅行者から。アメをコーティングされた充血クリトリスをクンニされて水女の兄としての自信を失ってね……しゃぶってあげて」


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