「愛愛、愛愛、おサルさんだよぅ」【愛欲市】A 『鬼畜の呪い』

 コルク抜きのような螺旋状のブタのペニスが膣穴に刺さっていた女子高校生は、腰を引いてペニスを抜去すると。
 車内で脱いだ制服を急いで集め抱え、ほぼ裸の状態でドアを開けて外に出た。 怯えた顔で首を横に振りながら、後ずさりをする女子高校生。
「あたしの方は、好きなのに……本気で政治家の先生を愛しているのに……先生の方は遊びだったなんて……ブタの『鬼畜』だったなんて……さようなら先生」
 女子高校生は泣きながら走り去り、ブィブィ鳴く半ブタ半人間の政治家を乗せた外車も駐車場から走り消えた。

 破華姉ぇが言った。
「今見たのが、この島にかけられている『鬼畜の呪い』……島で栄えていた古代王朝の高貴な男と、島の呪術師の娘が身分の違いを越えて恋に落ちてエッチした……娘の方は本気だったのに高貴な男の方は遊びだった。怒った呪術師の娘は島に呪いをかけた『愛の無いセックスをした者は鬼畜に堕ちるように』と……それ以来、この島ではセックスをする時に相手を本気で愛したセックスをしないと、言葉を失った家畜人間の『鬼畜』になるの」
「壮絶な呪いですね……鬼畜になった人間はどうなるんですか?」
「島の裏側にある牧場で飼育される……人間としての愛をとりもどせたら、呪いは解けて人間にもどれるけれどね……この島では愛を偽ったセックスをしないように気をつけて、もっとも異形や人外に呪いが通用するかは疑問だけれどね……それじゃあ、ブタと女子高校生の交尾も見学できたことだし、高校へ向かいましょうか」


 軍医タコたちが、鬼畜政治家と女子高校生のカーセックスを見学していた頃……天狗裸女は島にある山の上空に浮かんで、山を俯瞰〔ふかん〕していた。
 木々に覆われた山は上から見ると四角錐〔ピラミッド型〕をしていた。
「これが島の遺跡か……沖にも海中神殿みたいなモノがあったのぅ」

 天狗裸女は下降すると、周囲をしめ縄で人が近づかないように封印された、ピラミッドの入り口を探す……未調査のピラミッドの入り口は、樹木や蔦で覆われ隠されていた。
 天狗裸女が葉ウチワの風圧で、入り口の樹木と蔦を吹き飛ばすと、隠されていた入り口が出現する。
 入り口から少し入った場所に青いビニールシートが敷かれ、人が侵入した痕跡があった。
 缶詰の空き缶で作ったロウソク立てとか、昔のお菓子の空き袋や、ドングリの実や、放置された玩具、遊び道具やチョコのおまけシール。雨風でページがペタペタに貼りついたエロ本などがあった……遺跡の一部が子供の秘密基地になっていた。
 土の中から少し出ていた菓子の金属容器の中には『よ○んの書』と書かれたノートが入っていたが、天狗裸女は見なかったコトにして缶を地中深くに埋め直す。

 天狗裸女が拾い上げたヒーローの人形には油性ペンの子供の字で『熱盛』と名前が書かれていた、天狗裸女はヒーロー人形を邪魔にならない場所に置くと、ピラミッドの奥へと入って行った。

 断崖のような壁を降りて深部へと進むと、奥の空間に燐光が見えた。
 行ってみると石の台に置かれた、人間一人が体を横たえられるサイズで銀色に輝く金属製カプセルと、そのカプセルの上に腰かけている、ホログラフィーのような透ける体で向こう側の壁画が見える。
 古代王朝風の衣装を身につけた、十九歳前後の少女が座っていた。
 少女は天狗裸女の存在に気づくと微笑んで言った。
《ちぃーす、人に会うのは何千年ぶりかしら? ようこそ裸のフレンズ》
 軽いノリの少女だった。
「なんじゃおまえは?」
《う〜ん、説明するのは難しいんだけれど、簡単に言うと王朝の発展に関わった宇宙人からはこの『クローン培養カプセル』の守り人を任せられた呪術師の残留思念……ってところかな》
「昔風の言葉使いではないのぅ?」
《あたしは、このカプセルに憑いている残留思念でピラミッドの範囲しか移動できないけれど……秘密基地にあったマンガ雑誌やエロ本を読んで勉強した》
「納得じゃ」
《ずっと、この宇宙人の置き土産を守ってきたけれど……今日でその役目も終わりそう。
悪い人が奪いに来たらカプセルの爆破スイッチを押して、ピラミッドごとドカーンと崩壊させるように宇宙人から頼まれていたけれど。あたな悪い人じゃなさそうだから……あたしごとカプセルを遺跡の外に持ち出して、宇宙人の科学力を有効利用して》
 と、言った呪術師の娘の両目が、アメジストのように紫色に変わった。

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