【転生村】B

 射精して女に抱きつき、グッタリとしている男の体を押しのけて仰向けにすると、女はふたたび男に騎乗して腰を上下させはじめた。
「はぁはぁ……オレ、いや……あたしはまだイッていない……イクまで犯し続けてやる」
 しゃがみついて腰をグニュグニュ動かしている女と、騎乗されている男に向かって、響子が言った。
「あのぅ……お節介かも知れませんけれど。どっちが犯して、どっちが犯されているなんて……生まれ変わるたびにモメているのなら、両方で犯しあってセックスを楽しんでいるでもいいんじゃないんですか……実際にレイプされたリベンジをしているワケじゃないと思いますけれど」
 腰の動きを止めた女と男は「はッ!?」とした表情で、互いの顔を見つめる。
「言われてみたら、オレたち、あたしたちは……最初は恋人同士でレイププレイ、楽しんでいたんじゃなかったっけ……前世の記憶しかないから、はっきり思い出せないけれど」
「そんな気もしてきた……よ──し、今世のレイププレイを楽しむぞ!」
 柿の木の下で『野外全裸セックス』をしている、前々前世からのカップルは嬉々とした表情でレイププレイを楽しむ。
 アドバイスをした響子が満足そうに、セックスをしているカップル観賞をしていると。
 雑貨店の前で、変態オナニーをしていた幼女が憤慨した顔で、響子に近づいてきた。
「なに、人の楽しみ奪ってくれちゃって……あの二人には、来世も犯し犯されさせてモメさせて、それを転生したあたしが眺めて楽しむ計画だったのに……このアホ女! バカなカップルに吹き込んだ人の楽しみ奪うな! あ〜ぁ、また別の楽しみ探さないと」
 幼女は不機嫌そうな顔で取り出した、渦巻き棒キャンデーをペロペロとナメはじめた。
 破華姉ぇが、吊り目気味の幼女に訊ねる。
「もしかして、あなた転生村雑貨店の娘の『砂野スグリ』〔さのすぐり〕さん? ロリ年齢覚醒で前世のロリコン中年独身男の記憶が甦ったって……ニュースになった」
「そうよ、よく一年前に流れたニュースを覚えていたわね……あたしが、あの『砂野スグリ』よ! えっへん、恐れ入ったか!」
 なんとなく軍医タコ一行についてきて転生村の中を見て回っていた乙姫は、横柄な態度をするスグリを見て。
(さのす……ぐり? なにこの、傲慢で上から目線の幼女……感じ悪っ)と、思った。
 響子が破華姉ぇの腕を指でチョンチョンして、小声で訊ねる。
ロリ年齢覚醒って、なんですか?」
「転生村で、希に起こる現象よ……前世がロリコン男で、童貞でロリに強烈な想いを抱いたまま亡くなった場合……一割の確率で、ある年齢に到達する前にロリコン男だった前世の記憶が甦る……たいがいは九割のロリコン性癖男は、転生時にリセットされて。前世の記憶を持たない、普通の少女としての人生を送るんだけれどね」
「その現象って、前世が女性でも起こる現象なんですか? 例えばショタ年齢覚醒とか」
「ロリ年齢覚醒ほど多くはないけど……ショタ年齢覚醒も、たまにある」
 破華姉ぇと響子の会話を退屈そうな顔で聞いていたスグリが、軽くアクビをする。
「ふぁ……退屈、また幼女自慰でもして。この毛も生えていないロリ体を楽しむか……じゃあね」
 そう言ってスグリは、雑貨店の軒下へともどり。軍医タコ一行も女性大工の家へと帰っていった。

 翌朝……軍医タコ、響子、ウズウズ、コンドーム小僧の四人が女性大工の家で朝食を食べていると、裸の我美がやって来て軍医タコに訊ねた。
「乙姫さま、知らないっスか……朝から姿が見えないっスけれど?」
 納豆をかき混ぜながら、軍医タコが答える。
「なんでも、昨日見た村の場所で少し気になる場所があるとかで……早朝、出掛けて行きましたよ。出発時間までには駅にもどると言っていました」
「そうっスか」
 我美はなんとなく胸騒ぎを覚えた。

 軍医タコたちが、朝食を食べていた同時刻……朝露に裸体を濡らした乙姫は、転生村の崖から突き出た乳房奇岩の上に建てられた。
『天帝神社』の裏にある小さな淫祠の前に立っていた。



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