『栽培谷』 @

 軍医タコ一行は『栽培谷』にやって来た。まるでムー●ン谷を連想させるような湾入した入り江の谷間には、針葉樹の森が広がり、森の中にキノコみたいな建造物の町が見えた。
 郊外に広がる畑には、足を地面に埋めた裸の人間が生えていた。

 整列して目を閉じて無言で生えている全裸の女たちや男たち。
 畑には成長段階に応じて、地面から発芽した日数が浅いのか、しゃがんで背中を丸めた姿勢で生えている幼い栽培人間もいる。
 クラゲが言った。
「生殖技術が発達して、植物特徴をゲノム編集で植え込んだ人間が種から育って生えているにょ? この人間たちは谷の住人かにょ?」
「いいえ、これはモノです。生きている張り形や、生きているオナホールです。彼らに自我はありません」
 秋が、自分のチ●コをしごいて白いミルクの養分を生えている女性にぶっかけているのを見ながら、軍医タコが言った。
「向こうの畑で人間の収穫をしているみたいなので、近くにお邪魔して話しを伺ってみましょう」

 農作業服姿の男性が、畑から引き抜いた人間を軽トラックの荷台に積んでいる現場に軍医タコ一行はやって来た。
 近づいてきた軍医タコを見た男性が、額の汗をタオルで拭きながら言った。
「あんれまぁ、うまそうなタコが歩いて来ただべ……取っ捕まえて、茹でタコにでもして今夜の酒の肴にでもすっかな」
「ご冗談を、わたしは食べ物ではありません……少しお話しよろしいですか」
「なんだべぇ」
「軽トラックの荷台に積まれているのは品物ですか?」
 荷台には地面に埋まっていた足先が大根のようになった、裸の男女が無造作に重ねられて乗せられていた。
 無表情で開眼して、口元が少し弛んだモノが、食べ頃の熟れた人間らしい。
「んだ、市場に持っていくだべぇ……オナホや張り形や、そのままラブドールになるだべ
 クラゲが軽トラック近くの畦〔あぜ〕に放置されている、両腕を頭の上で広げた少し熟女っぽい栽培人間を指差して、作業服男性に訊ねる。
「この捨ててある、人間はどうしたにょ?」
「ああ、それは収穫時期を過ぎて熟れすぎたモノだべ……乳も垂れちまって、こうなると売り物にはならねぇ……ココを見るべ」
 男性は土手に仰向けの格好で放置されている、熟女の足をグイッと持ち上げて、V字開脚させると中央の秘部を見せた。
「熟しすぎてマ●コの色も悪くなっているべ」
 作業服男性は熟女と同じように収穫時期を逃した、中年男性のチ●コを触る。
「このオスもチ●コが萎びちまって搾っても汁も出ねえ、使い物にならねぇべ……だから、畑で腐らせて来年用の堆肥にするべ」
 畑から人間が生えてくる『栽培谷』はシュールな世界だった。

 軍医タコが作業服男性に訊ねる。
「この谷で何か問題は発生していませんか、わたしたちはその問題を解決するために来ました」
「だったら『栽培人間試験場』に行ってみるべ、何か困ったコトが起こったとニュースでやっていたべ……試験場は、この道を真っ直ぐ行った十字路の高い杉の林が生えている場所に、赤い毒キノコが群集したみてぇな建物だで、すぐにわかるべぇ」
「ありがとうございます」
「試験場の職員が新婚生活のために建てた新居が、試験場に行く途中にあるべ……こちらも青白い発光毒キノコみたいな家だべ、ついでに立ち寄って話し聞いてみてもいいべな」

 軍医タコ一行は、作業服男性に礼を言ってから教えられた試験場に向かった。
 途中、三輪軽トラックが引く荷台車に乗せてもらった。
 荷台には薄目を開けた、成人前の栽培人間が一体横たわって農道走行の振動で揺れている。
 なんでも、運転手の農作業着美人が家に持ち帰ってオナニーに使うために、畑から引き抜いてきたそうだ。
 運転している美人農家がリヤカー荷台に乗る、軍医タコたちに向かって言った。
「そこに転がっている、栽培人間はチ●コがちっこすぎて、売り物にはなんねぇから。家で楽しむために使うべ……ほうら、見えてきたあのひょろっこい家が新婚の試験場職員の家だべ。今日は午後から出勤するとか言っていたから家で嫁さんとイチャイチャしているべ」
 タブレット画面を見ていた軍医タコが、クラゲに囁く。
「秋を男女どちらとでもセックス可能な状態にしておいてください……場合によっては性行為をしてもらうかも知れません」
「わかったにょ、秋、タコさんに言われたら男女どちらとでもセックスするにょ」
「わかりました」
 秋は弄んでいたチ●コを、女体の奥深くに押し込んだ。

 三輪トラックの行き先が横道の┠に入る前に、停車して降ろしてもらった軍医タコ一行は、試験場職員の家へと歩いて向かった。
 メルヘンチックな毒キノコ新居の柵に囲まれた庭には、ガニ股姿勢で地面に足を埋めて並び立つ、裸の男女がいた。
 家庭菜園のように栽培されている栽培された人間を見ていると、家のドアが開き一人の若い男が出てきた。
 男の顔は庭で栽培されている、裸人間の男の顔と瓜二つだった。
 家から出てきた男は軍医タコたちに見られているコトに気づいていない様子で、栽培人間の女の方に近づくと、女の姿勢を少し前屈み気味に変えて。
 性器の溝を指先でなぞる。
よし、今日は十分に濡れているべな……これなら挿入できそうだべ
 男はペニスを露出させると、栽培人間の女性の後ろに立って女性の尻をつかむとズボッと穴にチ●コを押し込んだ。
 男が腰を前後に動かして濡れている穴に抽送すると、女の口から。
「うっ……うっ」という短い呻き声が漏れ。ビクッビクッと反応する。
 男は容赦なく、栽培された人間の体内に精液を流し込んでから。
 栽培人間の女を元のガニ股姿勢にもどす。
 女の股間から注入された精液が、ダラダラと溢れ地面に向かって糸を引く。 
「はぁ、気持ち良かったべ」
 男はペニスの先端に付着した精液を、ティシュで拭き取った。

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