男女平等のエロ国 B

 その後も一行は、さまざまな淫らな場面に遭遇して。そのたびに軍医タコとクラゲ型宇宙人の『ラブ』『エロ』『ファジー』の分類が行われた。
 そして、一行が最後にやって来たのは海を望む展望の公園だった。
 公園のベンチに独りで海に浮かぶヨットを眺めている女性がいた。
 女性の首には『現在フリー自由に犯して』の自己申告カードがぶら下がっている。
 このカードを下げている男女には、無報酬で性行為を自由に行ってもいいことが決められている。
 軍医タコたちが、ベンチに座っている女性を観察していると若い男が近づいてきて、証明書カードのようなモノを女性に見せた。
「政府発行の『セックス許可書』です……これから、あなたとセックスをします」
 この国では、乱交や不純性交とは別に国が定めた男女による、どこでもセックス御免の特別性交も行われていた……ただし、証明書を保持している者は独身者に限られオナニー禁止・風俗禁止・親子間性行為禁止・許可書所有者同士の性交禁止の規制があり。
 セックス希望の自己申告カードを首から下げた相手となら互いの完全同意が絶対条件で、兄妹〔姉弟〕でも避妊さえすればセックスができた。
『セックス許可書』を提示された女性は、少し嬉しそうにうなづいた。

 数分後──ベンチで『自己申告カード』の女性と『セックス許可書』の男性は着衣セックスをしていた。
「あッ……あッ、あッ、あッ、あぁぁんんん」
 喘ぐ女性を観察していた軍医タコとクラゲが『ラブ』のプラカードを出す。
「あれは愛です、愛を含んだセックスに発展します」
「なるほど、なるほど」
 ずっと、軍医タコ一行と同行してメモをとってきた市役所職員がメモ帳を閉じる。
 女性職員がスカートの中から、股間の辺りが濡れたパンツを下げながら言った。
「参考になりました、分類していただいた性行為を基準にして、今後は規則や法律を作っていきます……なんとなくですけれど、ラブとエロの境界線が見えてきました、わたしたちも愛のセックスで子作りしたいと思います」
「がんばるにょ、赤ちゃんできたら教えるにょ」
 男性職員が股間のファスナーを下げて、性器を露出させながら言った。
「はい、これからスケルトンな自動車の運転席と助手席で裸体になって、他人に見せつけながら公開セックスで子作りに励みます

 軍医タコ一行は、次の目的地──生殖文明が極度に発達していて、人間を植物のように栽培している『栽培谷』へと向かった。

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あきゅろす。
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