男女平等のエロ国 @

 軍医タコ、男女一体型裸族人類の秋、クラゲ型宇宙人、着衣人類の響子たち一行は『男女平等のエロ国』にやって来た。

 この国では、公共交通のバスや電車の車体はスケルトン仕様の丸見えで、自動車もエンジンが丸見えのスケルトンだった。
 さらには、旅客機もスケルトンで裸の乗客を乗せて、空港の滑走路を離発着している光景はシュールだ。
 クラゲが言った。
「乗り物が全部スケルトンだにょ……乗っている人間も裸だにょ」
 軍医タコが言った。
「性にはかなり奔放の国ですが、それでも問題は発生しているみたいですね」
 ふっと傍らを見ると、裸の響子が股間と胸を手で押さえ隠してモジモジしていた。
 まるで絵画の『ヴィーナスの誕生』のように。
「どうしました? ヴィーナスみたいなポーズをして? ロキ石で信じ込まされて一時的に急速進化した『裸身人類』には、もうならないはずですが?」
「ここに来てから、なんとなく、裸でいるコトが恥ずかしいんです」
「ふむっ、この国の風土が響子の眠っていた、羞恥心を呼び覚ましてしまったのかも知れませんね……困りましたね、それでは露出同行はできませんね。何かいい方法は」
 しばらく思案していた軍医タコは、何かを思いついたようにヌチャと触手腕を打ちつけると。
 何かを持っている仕草を響子に向かってして見せた。
「響子、これはバカには見えない下着です。もちろん響子には見えていますよね」
 軍医タコの手元を凝視する響子。
「…………も、もちろん見えています。素敵な下着ですね」
「見えているのなら、この下着をあげます。下着でも身に付けていれば多少は羞恥心も薄れるでしょう」
 バカには見えない下着を軍医タコから受け取った響子は、下着を身につけるジェスチャーをする。
 響子が軍医タコやクラゲに質問する。
「似合っていますか、あたしの下着姿?」
「似合っているにょ、一度膝までパンツを下げてみるにょ」
 腰を屈めた響子は、バカには見えないショーツ〔パンツ〕を膝まで下げる。
「今度はまた穿いてみるにょ……見えているのなら」
 響子はバカには見えない下着を、引っ張り穿き直した。
「どんな感じかにょ? Yバック下着は」
お尻の谷間にヒモが食い込んでいます
 バカには見えない下着を身につけた響子を連れて、軍医タコ一行はバス停に行った。
 バス停に一人でバスが来るのを待っていた、制服姿の女子高校生の後ろに並ぶ。
 クラゲ型宇宙人たちが、軍医タコに訊ねる。
「どうしてバスに乗るにょ」
「この国の市役所にある『淫性課』の職員の人と会う約束をしましたから……この国では、国会や議会に相当する政府機関が市役所ですから」
 バスを待っていると、スマホで路線バスの運行状況を確認していた先頭の女子高校生が、いきなり脱衣をはじめた。
 脱いだ制服を次々とバックに入れて、最後には下着まで脱ぎ。
 ソックスとスニーカーだけの裸女子高校生になった。
「どうやら、この国では公共乗り物に乗車するには、裸体を晒さないとダメみたいですね」
 響子が、そっとバカには見えない下着を脱いだ時、スケルトン仕様でエンジンや駆動部分が丸見えの路線バスが走ってきてバス停前に停まった。
 バスの中は通勤通学の、裸会社員や裸高校生たちが乗っていた。
 軍医タコたちと一緒に、ソックスとスニーカーだけの裸通学でバスに乗って吊革につかまった女子高校生〔18歳〕の体に、さっそく周囲の乗客たちの手が伸びてきた。
 背後から背中やヒップを撫で回され、声が漏れる女子高校生。
「あぁ……んっ、あふっ」
 バスの中では、裸の乗客同士の触り合いがはじまっていた。
「あぁんん」「はぁはぁん」「あッ……あぅんん」
 男が女を触り、女が男を触り、女が女を触り、男が男が触る。
 痴漢バスだった。
 中にはセックスにまでハッテンしている者もいた。
 軍医タコとクラゲ型宇宙人たちは触られなかったが、秋と響子は男や女から触られまくり響子のみ喘ぎ声を発する。
「あぁぁんんん」

 女子高校生は、側方に立っている男子高校生のチ●コに手を伸ばすと、しごきはじめた。
 裸で車窓を見ている男子高校生のチ●コが、さらに勃起する。
 立っている男子高校生の前の座席に裸で座っている、女性会社員は大きくなっていく男性のモノを楽しげに眺めた。
 やがて、男子高校生は「うッ……」と短い呻き声を漏らして、座っている女性会社員に向かって白い体液を……射精した。
 男子高校生が射精すると、女子高校生はチ●コから手を離して、次のバス停で降りて軍医タコたちはその後を追った。
 裸のまま学校へと向かう女子高校生を、軍医タコが呼び止める。
「ちょっと、すみません」
 立ち止まって振り返る女子高校生。
「なんでしょう?」
「少し、バスの中での出来事について、お話しをお聞きたいのですが……数分程度で終わりますから」
「はい、少しの時間なら何でも聞いてください」
「毎朝、通学のたびに男子高校生にあんなコトをしているのですか?」
「はい、彼のチ●コの調子が良くて、元気な日には抜いてあげます」
「見たところ、顔見知りのような感じでしたが?」
 女子高校生は軍医タコの問いに顔を赤らめた。
「いつも同じ時刻のバスで通学している別の学校の生徒なんです、半年前くらいから意識するようになって……憧れというか好意を抱いているというか、一度も直接話したコトはないんです……バスの中でフェラチオはしたことあります」
 女子高校生は、好意を抱く他校の男子生徒に、フェラチオや手コキは普通にできるが。
 会話は恥ずかしくてできないらしい。
「そうですか……何かこの国での問題はありますか? あなた自身が困っているコトでもいいんですが」
 女子高校生は太股の横に付着していた、男性の精液をティシュぺーパーで拭き取りながら言った。
「実は『恋愛感情と性欲の区別がつかなくなってしまっていて』今、自分が行っている行動が、恋愛なのか性欲なのか悩む時があります」
「そうですか、通学時間に呼び止めてすみませんでした。これ粗品ですがお礼の『あたタコボールペン』です、タコの部分が小型バイブになっています授業中のオナニーに使ってください」
「わぁ、ありがとうございます。これ欲しかったんです」
 女子高校生は一礼をすると軍医タコたちの前から去って行った。


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