序章 @

 その日も、タコ側裸族人類の蘭花と銀牙はタコ型宇宙船の中でセックスをしていた。
「あッ……あぁン……はぁん……んはっ……んッ……銀牙」
 対面座位の形で銀牙と全裸で繋がった蘭花は、銀牙にしがみついて腰を上下させる。
「あぁッ……いぃ……んひぃん」
 ズププッ……ぐしゃぐしゃ……ぐにゅぅぅ……ズヂャ……グリュ。
 蘭花と銀牙の結合部分から、いやらしい淫音が絶えず聞こえてくる。
 蘭花の尿道口から、女の白いザーメンが染み出ていて。銀牙の乳首からは白い父乳が染み出していた。
 タコ側裸族人類の蘭花と銀牙の体は、興奮が高まると女のザーメンと男の乳が出る体にタコ型宇宙人から改造されていた。
 二人のセックスは、軍医タコの万能タブレットで記録観察されていた。
 蘭花が悩ましい声で喘ぐ。
「あぁぁ……イクぅ……先にイッてしまう……ごめんなさい、銀牙……あッ……はひぃぃぃ……イクぅぅ!」
 銀牙にしがみついた蘭花が裸体をビクッビクッさせながら絶頂すると……後を追うように銀牙も絶頂して精液を蘭花の膣に放出した。
 ドピッ……びしゃびしゃ……プシャァァ。
「はふ──ッ、はふ──ッ」と、抱き合って白濁液まみれでセックスの余韻に浸っている蘭花と銀牙に軍医タコが言った。
「今回も同時絶頂しませんでしたね……いったい何が原因なのか?」
 軍医タコは蘭花と銀牙に同時絶頂をさせて、深い愛に満ちた受精の子作りをさせようとしていた。
「蘭花か、銀牙のどちらかが先に果ててしまう……強制して、絶頂タイミングを合わせるのは簡単ですが。それでは……う〜ん」
 軍医タコは、絶頂余韻を味わい互いの裸体を撫で回して、愛の言葉を囁き後戯している蘭花と銀牙に抜去して、並び立つコトを命じた。
 蘭花と銀牙はヌプッと、性器結合を解いて並び立つ。
 軍医タコの触手が二人の股間に伸びた。
 蘭花はセックスが終わったばかりの濡れたマ●コの渓谷を……銀牙の方は勃起が続いているチ●コの大木に触手が巻きつく。
 軍医タコが銀牙のチ●コの薄皮を引っ張り抜くと、銀牙のチ●コ童貞チ●コにもどった。
「蘭花の方の処女膜再生がはじまっていますね……セックスするたびに性経験が豊富になっていく、永遠の童貞と処女……素敵です。蘭花、銀牙、自分たちが処女と童貞であるコトを口に出して再確認しなさい」
「はい……タコ神二号さま。蘭花は永遠の処女です
銀牙は永遠の童貞です
 二人の性器が、また興奮してジワッと濡れてきた。
 触っていた触手を引っ込めて、軍医タコが言った。
「また濡れてきましたね……少しメンテナンスしますか」
 床の一部から人間が一人づつ入れるクリアーな円形ケースが二本、出てきてケースのフタが開く。
 軍医タコが蘭花と銀牙に命じる。
「これからメンテナンスをします……ケースの中に入りなさい」
「はい、タコ神二号さま」
 裸の蘭花と銀牙が、円筒の中に入るとフタが閉まり、中に液体が満たされていく。この特殊ケースは冷気に満たされた人工冬眠装置としても利用されている。
 タブレット操作しながら軍医タコが言った。
「蘭花の生理周期を調整してみますか……銀牙の発情期も蘭花の生理周期とシンクロするようにと……」
 裸族人類には、本来は着衣人類のような生理は存在しない……軍医タコは、二人の体をいじくって楽しんでいた。
 ケースの中で、生理周期をいじくられている。蘭花は思った。
(あたし、いったい何をされているんだろう?)

 裸族人類は自分たちが神だと、刷り込まされている宇宙人から命令されば、どんな状況でもセックスをする……女同士、男同士関係なく。場合によっては獣姦や人外の異種族姦さえも平気でする。
 実際に蘭花と銀牙も軍医タコに命じられて、同性との性行為を何回もしている。
(タコは神、食べてはならぬ……あたしたち、裸族人類は神さまの所有物……拒否権はない)
 蘭花は、液体に満たされたケースの中で静かに目を閉じると、自分が裸族人類として生まれ変わった日のコトを回想した。

 月明かりに照らされながら、病室のベットで病死して、次に意識がもどった時は……火葬場で焼かれた遺骨が乗っているはずの、台の上で裸族人類化した蘭花は白装束だけが燃え尽きた全裸姿で横たわっていた。
 火葬場に骨上げで集まっていた親戚たちが、係員が死者に何か性的な冒涜を行っていたのではないかと問い詰めていたのが印象的だった。

(裸族人類になったばかりだったから……火葬場に裸で横たわっているのを親戚に見られたのは、恥ずかしかった)



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あきゅろす。
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