【女王石】@

 腰に片手を添えて立つ乙姫が、マッガーと裸千匹皮を指差して言った。
「さあ、最強裸女同士でいがみ合って潰し合いしなさい……我美、【ロキ石】の嘘の力で、この二人をだましなさい!」
 頭をポリポリ掻きながら、我美が答える。
「いやぁ、それムリッス……後からわかったッスが、 ロキ石の嘘は着衣人類にしか通じないみたいッス
「はぁ!? じゃあ、なんのために神石集めたのよ……ちょっと待って、冷静に考えてみたら。なんか不自然よね【天帝石】と【タコ神石】を集めた理由が恋人とキン●マって……もしかして、我美。あんた」
 乙姫がビシッと我美を指差す。
「自分が裸族人類最強だと内心は自負していて、最強裸女なんて屁でも無いって思っているんじゃないでしょうね! そのために一ヶ所に最強裸女三人を集めて一気に※始末するつもりなんじゃあ!」
「はぁぁ!? ッス」
 乙姫の壮絶な勘違いだった。 
(乙姫さま、なに勘違いしているッスか? でもまぁ、この流れの方がボクとしては好都合ッス)

 乙姫の勘違いは続く。
「読めたわ……『魔我マッガー』と『裸千匹皮』に互いに悪口を言い合いさせるって計画は、その場の思いつきね……あたしをハメて、あたし一人を悪者に仕立てる計画だったんでしょう。
あっ! そういうことか……あたしの股間に張ったクモの巣が男のチ●コで破られると、あたしの能力が失われるのね……あたしの力を奪って弱体化させるために、恋人を世話してキン●マを喰うことをススメたのね!」
「いや、乙姫さまのクモの巣は関係ないッス……破っても能力は失われないッス(微妙に思いつきの、適当な計画を誤魔化しているコトに偶然に気づいたッスね……その先は勘違いと被害妄想ッスけれど、だいたいネットで悪口を広めているのは乙姫さま自身ッス)」
 乙姫の勘違い話しはさらに続く。
「我美、あんた。あたしが恋人とラブラブになるコトに嫉妬しているんでしょう……当然よね、こんないい女が幸せになれば誰もが羨望の目で見るわよね……ほほほほっ」
「いや、乙姫さまに彦星くっけようとしているのボクなんスけれど」

 我美は折り畳んだ台車と、台車に貼りつけられている手紙に気づき。マッガーに訊ねる。
「あれ? あの台車と手紙はなんス?」
「なんか、電車に乗ったあなたが現れて、あなたに渡してくれって」
「電車に乗ったボクッスか」
 我美は手紙に目を通して言った。
「そういうコトだったッスか……『女王石』は、どこにあるッスか」
 マッガーが島の洞窟を突き破って、ヒトヶ島のあちらこちらから枝を広げている『チ●コマ●コの樹』の、高い洞窟天井に実っている『マ●コの実』を指差す。
「女王石なら、天井の一番高い場所にある、マ●コの実の中で光っている実の中に」
 たわわに実るマ●コの中に一つだけ、クリトリスの位置が光っている実があった。
「あれが……伝説の神石、【女王石】ッスか」
 伝説と聞いて、乙姫が口を挟む。
「ちょっと、伝説って何よ……詳しく教えなさいよ」 
「口がスベったッス……【女王石】は、危険な神石ッス。手を出さない方がいいッス」
「なによぅ、そこまで聞いたら気になるじゃないの……言いなさいよ」
「それじゃ話すッス……【女王石】は…… ○○人類を支配する力を持った特定神石ッス
 ○○人類の箇所は、洞窟内のヒトがギャアギャア騒ぐ声に掻き消されて聞き取れなかった。
 乙姫が言った。
「支配力の石!? あたしにピッタリのアイテムじゃないの……ゲットするわよ、止めてもムダよ」
 乙姫は裸体に鳥形のヘルメットと、鳥の翼のようなマントを装着した姿へと変わると、天井のマ●コの実に向かって刃物の翼が飛び出す鳥形の武器を投げつけた。
 投げられた鳥の刃物は、マ●コの実を落として乙姫の手元に戻ってきた。
 乙姫は落ちた果実の女性性器に酷似した、割れ目から汁が滴る【女王石】をほじくり出す。
【女王石】とったど──っ! えーと、これをどうすれば、よかったっけ?」
「砂野スグリの肛門に押し込むんですよ
「そうかぁ、じゃあスグリのア●ルに入れるわよ」
 乙姫がスグリの排泄孔に神石を押し込む。
「グイッと奥まで押し込んで……と、これで良しと。あれ? なにかお尻の穴に異物感が」
 我美は不思議そうな目で乙姫を見た。
「乙姫さま、いったい何をやっているんですか?」
「何って、砂野スグリの直腸内に女王石を……あ、あれっ?」
 乙姫は自分の肛門を触って、驚きの声を発した。
「なんで、あたしのお尻の穴に石が入っているのよ!?」
「乙姫さま、自分で押し込んでいたッスよ……グイグイと指で押し込んで」
「そんな、あたしは確かにスグリの肛門に……無意識に自分のア●ルに入れていたってコト? ぬ、抜けない」
 乙姫は肛門に指を入れて、石をほじくり出そうとしたがダメだった。
「【女王石】は入るア●ルを選ぶと、手紙に書いてあったッス……乙姫さまのア●ルが、よほど気に入ったみたいッスね」
「冗談じゃないわよ、出す方法はないの?」
「乙姫さまが自分から望んでア●ルセックスを百回してもらえば神石は出てくるッス」
「いやよ! お尻エッチ百回なんて絶対イヤ!」
「それじゃあ、仕方がないッスね」
「こうなったら、なんたら人類を先に支配してやる」
 ア●ルに【女王石】を入れた裸の乙姫は、ロープをほどかれボーッと床に女の子座りをしている着衣人類の響子と、立っている裸族人類の銀牙に向かって言った。
「さあ、お尻に【女王石】を入れた、あたしを崇拝しなさい! 服従しなさい! ひざまずきなさい!」
 響子はキョトンとした顔で見上げるばかりで、銀牙はなんの反応も示さない。
「なによ、何も起きないじゃない……もしかして、よく聞き取れなかったけれど。支配できるのは『脱衣人類』? それとも『半裸人類』? 『露出人類』ってのもいたわね」
「それがッスね……支配できるのは『裸身人類』だけみたいなんスよ」
「『裸身人類』? 初耳だけれど、どんな人類なの?」
「着衣人類が突然変異で進化するみたいッスよ」
「どこにいるのよ、その裸身人類って」
「それが幻のレア人類なんスよ……過去に一人か二人が幻の大陸に現れて、絶滅したッス。文献に少しだけ記録が残されているだけッス」
「使えねぇ……なんとかしなさいよ我美、そうだ過去に戻って。絶滅する前の『裸身人類』のオスとメスを連れてきて繁殖させって過去に戻すって方法は?」
「ムリッス、それやったら歴史がメチャクチャになるッス……本来は絶滅するはずだった生物を復活させたら、別の生物〔人類や裸女〕が瞬時に消滅する危険もあるッス……でも、乙姫さまが一時的に『裸身人類』を支配するのは可能ッス」
「どうやって?」
「着衣人類の響子に嘘を信じ込ませて……一時的に『裸身人類』に進化させるッス……どうするッスか? 『裸身人類』見たいッスか?」
「見たい」

 スグリの体の【ロキ石】が光を放つ、我美が響子に嘘を吹き込む。
響子は『裸身人類』に急速進化するッス……響子は裸身人類ッス
 嘘を信じ込まされた裸の響子が、立ち上がって言った。
「はい、あたしは『裸身人類』です」


※始末するエッチな行為で決着をつけるという意味です。


[前戯へ][後戯へ]

14/15ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!