神石レンタル E 〔天帝石〕

 仙女の竜吉公主のところから帰って来た天帝は、邪魔な太公望を天ノ川の向こう岸に追いやる計画を実行に移した。
 天帝は天ノ川に釣糸を垂れている、太公望に近づき向こう岸にいい釣り場があると誘った。
 太公望は、のんびりとした口調で。
「そんないい釣り場があるなら、行くかのぅ」
 と言って。天帝が天ノ川に架けた吊り橋座を渡らされて、向こう岸に追いやられてしまった。
 太公望が向こう岸に渡ったのを確認した大帝は、吊り橋座を破壊して太公望がもどってこれないようにした。
 魚釣りさえできれば満足の太公望は、橋が無くなってもさほど気にするコトなく天ノ川に釣糸を垂れている。
 天帝は、邪魔な太公望を織姫から遠ざけるコトができたので「しめしめ」と、思っていたが。
 織姫はなぜか、向こう岸に頻繁に渡って太公望と会っていた。

 天帝が彦星に問いう。
「どういうコトだ!? 橋も無いのになぜ、織姫は向こう岸に渡れる?」
「そりゃあ、全天の星座たちが織姫に同情して、向こう岸に渡してくれているんですよ」
「なにぃ!?」
 織姫に協力する星座たちに、天罰でも与えてやろうと思った天帝だったが。仙女の『北斗七星が天帝に死兆星を見せようとしている』の言葉にビビって何もできなかった。
「むむむっ、星座たちを敵に回すと後々厄介だからな……儂の星占いだけを、毎回悪い運勢に変えられたらたまらん」
 天帝は、自分の部屋で策を練る。
(織姫が太公望に近づくのなら太公望の方から、織姫を嫌うように仕向ければいい……どうやって?)
 ふっと天帝は、カゴの中に入った龍の子を見た。
(そうだ、龍の子の力を織姫に与えて裸女にしてしまえば、太公望もドン引きして嫌われたと思った織姫は自分の方から去って行くだろう)
 天帝は早速、計画を実行に移した。
 眠っている織姫の寝室に忍び込んだ天帝は、織姫の下着を脱がし。
 持ってきた龍の子の突き出た口を織姫の性器に接触させた。
 龍の子は織姫の性器をチューチューと吸う。
 織姫の口から甘美な呻き声がもれる。
「んあぁ……ふぁぁぁ」
 織姫の頬が羞恥の桜色に染まる。
(ふふふ……我が娘が淫夢に悶えている姿は良いものだわい。父が特殊な力を与えてやるからな)
 織姫に能力を与えている龍の子は、少しづつ干からびていき……最後にはタツノオトシゴのミイラになった。
(これでいい……織姫が次に太公望と会う時が楽しみだ……きひひひ) 

 翌日──何も知らない織姫は太公望と会って、いつものように雑談デートをしていた。
「そうなんですか、下界の『裸族人類が存在する退屈でない世界』には、奴隷市場が存在しているんですか……知りませんでした」
 話しているうちに、織姫は下腹部に異物感を覚えて、子宮の辺りを押さえる。
(なにか変な感覚が?)
 太公望が見ている前で、M字開脚してノーパンの性器を露出させた織姫は無意識に呟く。
「今週のドッキリヌレヌレメカ発進」
 織姫の膣穴から振動している、ピンクローターが一個……生み落とされた。
 ドン引きする太公望。
「織姫は、そんなのアソコに入れちゃうんだ」
 自分の肉体の変調に恐怖する織姫。
「いやあぁぁぁぁっ!」
 恥じらう織姫は、そのまま天ノ川の河原から下界へと飛び降りた。

 落下の途中に摩擦熱で衣服が燃えて、織姫は裸女になった。

 天帝は織姫の下界転落を反対岸で見ていた、監視役の彦星を責めた。
「どうして、天ノ川から落ちる織姫を止めなかったんだ!!」
「ムリですよぅ、向こう岸で、あっという間の出来事だったんですから」
「使えないの牛飼いだな、おまえみたいなヤツは星に変えて乗り物にして踏みつけてやる」
 天帝は神石の力で、彦星を☆型の『牛郎星』に変えると。牛郎星はどこかに飛んでいった。
 天帝は飛んでいく彦星に向かって怒鳴る。
「呼んだらすぐに飛んでこい! まったく、こんなコトなら瞬間移動の力を仙女に、もっと早くかは神石に込めてもらえば良かった……」

 天帝がそう呟いた時──後方からタイムワープしてきた、クワガタムシ型のタイムマシンの角の突端が天帝の後頭部に激突した。
「ぐわぁぁ!」
 意識を失う天帝。
 クワガタムシ型タイムマシンから飛び降りてきた乙姫が、気絶した天帝から【天帝石】を奪う。
 我美が乙姫に言った。
「早く、ムシ型タイムマシンにもどるッスよ。乙姫さま」
 乙姫は一回、倒れている天帝を足蹴りしてから、タイムマシンに飛びもどり。クワガタムシ型タイムマシンは去った。

 数分後に意識を取りもどした天帝が立ち上がる。
「うっ、なぜか後頭部が痛い……儂は誰だ?」
 今度は、時を越える特急電車型タイムマシンの突端が天帝の後頭部に激突する。
「ぐはぁぁ!」
 電車から飛び降りた、裸千匹皮に我美が言った。
「早く、天帝石をもどして電車にもどるッスよ」
 時を越える電車が去って、しばらくすると意識を取り戻した天帝がヨロヨロと立ち上がる。
「何があった? 後頭部が痛い……そうだ、儂はプリ●ュアだった。早く変身しないと」
 天帝は二度のタイムマシンとの衝突で、一時的な記憶の混乱が続いていた。



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あきゅろす。
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