集まりし八人の淫忍B

 四人目は背中に甲羅を背負った、緑色の裸の女が突如、庭の池から飛び出してきた。
 カッパ娘に似ているが、甲羅と体の隙間に忍者刀が鞘ごと差し込まれていて。
 目元に二つの穴が開いた細長い布が巻かれ、人相が隠されている。



 人相を隠して池から飛び出してきた緑色の娘忍者は、畳の上に仰向けに転がって手足をバタバタさせた。
 背中に甲羅がある娘が言った。
「すいません、どなたか起こしてもらえます……一度、仰向けになると自分では起き上がれないので」
 軍医タコが押して腹側が下になると、甲羅娘は四つ這い姿勢から立ち上がった。軍医タコが池から飛び出てきた娘に訊ねる。
「あなたは、人相を細長い布で隠したカッパ娘ですか?」
「いいえ、あたしは亀です……忍びの技を修得した『忍者カメ女』です」
「四人目の参戦者は忍者カメですか」

 五人目は里見八忍剣士の『犬尾平次』が、駆けつけた。
「ご用だ! ご用だ! アワノ国が七つの婬罪に襲われやした……あっしは八忍剣士の無念を晴らすために、再び【黒き忍びの里】に来やした」

 六人目は、新顔の裸忍者が天井に布隠れしていた状態から、畳の上に飛び降りてきた。
『仮面の忍者ハッチャケさん』……忍犬チャウ丸と共に、参上でござる……ニンニン」



 ハッチャケさんの語尾に、ツッコミを入れる変態忍者ハラミ。
「マネしているでござる……語尾が被っているでござるニンニン」
「マネしているのは、そっちでござる……拙者が元祖でござるニンニン」
「ニンニンはやめるでござる……ややこしくなるでござるニンニン」
「そっちこそ、ニンニンをやめるでござる……変態忍者ならニンニンを改め、ニンシンと言うでござるニンニン」
「ニンシンも、何気に良さげでござるな……ニンシン」

 退魔忍『朧女』〔頭領〕
 変態忍者『ハラミ』
 『不運レオン丸』
 『カメ女〔忍者〕』
 『犬尾平次』
 『仮面の忍者ハッチャケさん』

 六人の忍者が集まったところで、天善が腕組みをして唸る。
「あと二人……忍者が足りない」



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あきゅろす。
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