七つの婬罪C

 宅配の段ボール箱を開けると、軍医タコ宛に男性向け性具の設計図と、性具を作るために必要なレア・メタルが入っていた。
 オナンが設計図を指差す。
「それを、おまえが作るウッキキ」
 設計図を見ながら軍医タコが言った。
「『菊花』……裸族人類の使用に耐久がある性具ですか。しかも、この設計図は男性用のオナホールですね? わたしが作る確証はありませんよ……第一、作る理由がない」
「理由なら、記録ディスクに映っているメッセージを観ればいい……ウッキキッ、作らざるを得なくなるから」

 天善が再生器機でディスクの映像を再生する。
 茶色い土の丘がモニターに現れた。
 土を盛った丘には『ゴルゴダの丘』の手書き看板が立てられ。
 その後ろにX型の磔〔はりつけ〕架が数本立てられ。
 家畜三柱宇宙人のウシ・ブタ・ニワトリ型の宇宙人が、衣服を剥がされた裸身で生きたまま磔られていた。
 三柱宇宙人の前には、それぞれの専属裸族人類。『霜降筋肉の黒毛』その姉の巨乳妊婦『ホルスタイン』……『種男のディロック』……『手ブラの天紅』も手足をX型に広げた格好で磔〔はりつけ〕られている。
 いつも両胸を手の平で押さえ隠している天紅は、乳房から両手を強引に離されY字型に広げさせられている。
《あふぁぁぁぁ……かもね……また、絶頂するかもね》
《はぁはぁはぁ……イクッイクッイクんだね、子種が出ちゃうんだね》
《うおぉぉぉ……姉上、チ●コから白いミルクが出るんだな》
《うはぁぁぁ……イクでありんす、また母乳が迸るでありんす……あぁぁ》
 三柱の裸族人類たちは、玉の汗が吹き出した裸体を悶えさせ、腰を蠢かしては快感を感じてオーガズムを繰り返していた。
 裸族人類たちは、手を使わないオナニーで絶頂していた。
《あぁぁぁ……また、頭の中が真っ白になる……かもね》
《マズいんだね……裸族人類じゃなかったら、こんなに出したら死んでいるんだね……あぅぅぅ、三百回目の射精をするんだね……あぁ、出る出る》
 恍惚とした表情でビクッビクッと、性的痙攣をしながら裸族人類の女は潮を吹き。男は白い体液を飛ばしている。
 手足を拘束している枷が破壊されていないところを見ると、対裸族人類用の素材で作られたX字架らしかった。

 絶頂している裸族人類たちの前に画面端からチ●コで、水色髪の裸の女が現れ。
 中央まで歩いてくると、正面を向いて腕組みをして立ち。チ●コをヒクヒクさせた。
 撮影者の乙姫の声が聞こえてきた。
《こんなの聞いていないわよ……三柱の宇宙人を捕まえて磔にするなんて、あたし無関係だからね……竜宮島の場所を貸しているだけだからね》
《わかっているわよ、乙姫ちゃんには迷惑かけないから……乙姫ちゃん以外の、裸女が消滅した世界を作って。乙姫ちゃんが支配する世界を作るためよ
 撮影者の手元が動揺した手振れで、大きく揺れる。
《ち、ち、ちょっと待て! あたし、そんな大胆で恐ろしいコト。一言も言っていない! 第一、あたし以外の裸女全員を消滅させるなんて言ったら。全裸女を敵に回すコトに》
《アレ? そうだっけ……まぁ、言っちゃったんだからこのまま進めるしかないね。えーと、この映像を見ているはずのタコ! あたしは『七つの婬罪』リーダーをやらせてもらっている【サドニキア】以後よろしく……そちらからも、よろしくとか言ってくれないの? まぁいい……あたしたち七つの婬罪に伝わる預言書には七つの婬罪と八人の淫忍がエッチな戦いをして、最後に残った者が『菊花』に……
 サドニキアは、預言書の内容を伝えてから、言葉をつけ加えた。
《タコの手の内は研究済みだから……陽動作戦で人質を救い出すコトはムダムダムダ!『菊花』を作って、タコ側裸族人類のオスを差し出してくれないかな……そこに居るオナンに【タコ神石】を渡してくれないかな。最初に言っておくけれど偽物のタコ神石とか石に細工したら。家畜三柱宇宙人がローストビーフや豚カツや焼き鳥になるからね……それじゃあ、八人の淫忍の用意をよろしく……あたしたちの要望に応じないと、黒き忍びの里を消滅させちゃうわよ》
 乙姫の《ひ──っ!? あたし関係ない、あたし関係ないから!》と、いう悲鳴に近い声が聞こえ映像は終わった。

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