八忍剣士の妨害E助っ人忍び登場

 空に上がった尻目の眼球が花火のように破裂する。
 それを見た、ミニスカ着物の猫美が言った。
「花火? まぁ何をしてもムダにゃ……邪魔するにゃ」
 黄色いトラックスーツを着た、チャウチャウが拳法のポーズを構える。
「ふーぅぅ……犬拳、あちょあちょあちょ」
 チャウチャウが、拳を連打すると気で作られた、チャウチャウ犬たちの幻がゴキブリ罠を破壊するために突撃する。
 咄嗟にゴキブリ罠とチャウチャウの間に入った、ティティスの体から出た触手が幻のチャウチャウ犬を次々と撃破する。
 ティティスが言った。
「男だったら拳に頼らず、裸で向かってこい!! 触手で相手してやる……ひくっ」
 アルコールが浸透したティティスが、頬を桜色に染めてチャウチャウを、ブルーリー挑発する。
 挑発に乗ったチャウチャウは「あちょ──っ!」の奇声とともに脱衣して露出した。

 一方、猫美の方は丸みを帯びたシンバル打楽器のようなモノを二つ、どこからか取り出した。
 シンバルの取っ手の部分には鎖が付いている。
 猫美が二枚のシンバルを合わせる……まるで、マカロンのような形になった金属製の武器を猫美は二本の鎖を操作して巧みに振り回す。
 遠心力で鋭いノコギリ刃が、シンバルの合わさった隙間から飛び出してきて回転ノコギリのように回転した。
 猫美が一声「なぁ〜ご」と鳴いてから言った。
『猫牙マカロン』できあがりにゃ」
 振り回す円盤凶器は、近くにあった石の地蔵像を寸断した。
 響子が不安そうな表情で、軍医タコの近くに寄って言った。
「あれじゃ、近づくコトもできません……どうするんですか?」
「大丈夫、昨日、忍び桜の下で偶然に私用で、忍びの里を訪れていた知り合いに会って……万が一に備えて、一回だけの助っ人を頼みましたから」
「どんな助っ人を?」
 響子が質問した時、疾風のように忍びの黒い影が現れた。
 軍医タコが猫美と対峙する、位置に立った人物に言った。
「来てくれましたか……『変態忍者ハラミ』



 裸体の忍者で、70年代〔特撮〕裸女グループの、変態忍者ハラミだった、ハラミが言った。
「ニンニン……約束通り、参上したでござる。里帰り出産は無事終了して、第一子の女児を明け方出産したでござる」
 ハラミは股間を隠す手裏剣を指差して、軍医タコに訊ねる。
「初産記念に、股間の手裏剣をクリスタルな手裏剣に変えてみたでござる……どうでござるか?」
「素敵ですよハラミさん、第一子無事出産おめでとうございます……出産祝いは近いうちに」
「かたじけないでござる……ニンニン」
 響子が軍医タコをツンツンして訊ねる。
「あのぅ……ハラミさん、今朝子供生んだんですか? それにしては体型が普通ですけれど」
「忍びですからね、体型維持と出産直後の活動は、当たり前です」
 ハラミが猫美の武器を見て呟く。
「とりあえず、あの厄介な武具をなんとかしないと近づけないでござる……何か絡めて動きを止めるモノは」
 軍医タコが『どこでもホール』に触手を突っ込むと、どこかのケーキ屋の厨房に置いてあった、白いホイップクリームを銀色のボールごと持ってきてハラミに投げ渡した。
「ハラミさん、これを使ってください……まぜまぜして、粘着力を高めてあります」
「かたじけない、ニンニン」
 ホイップクリームの入った金属ボールを受け取った、ハラミが猫美が振り回すマカロン型の武器に向かって、泡立てでホイップクリームを投げつける。
 ホイップクリームは猫美の武器を、見事に絡め取り動きを封じた。
 さらにボールの中に残っていたホイップクリームを猫美に投げつけて、猫美の手足を地面に粘着固定する。
「にゃにゃにゃ!?」
 動きを封じられ、大の字になった猫美に、飛び寄ったハラミはミニスカの中を覗き込んだ。
「思った通り、下着は穿いていなかったでござるな」
 ハラミは抜いた忍び刀の刀身に、猫美の秘部を映した。

 その部分だけ異質な生物が貼りついているような、剥き身の貝のような、ランの花のような、内臓の一部のような……見ようによってはグロテスクなモノがヒクヒクと動いていた。
 初めて見た自分の秘部の形状に猫美はフリーズする。
「う、うそにゃ……そんなエグいモノが体に付いているなんて、うそにゃぁぁ!!」
「うそでは無いでござる、多少の形状の違いはあるでござるが、女の体についているモノでござる」

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あきゅろす。
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