『裸族人類と裸女が存在しないどーでもいい世界』@

 別次元……別世界〔パラレルワールドの一つ〕の、海に浮かぶ廃棄された戦艦の甲板の上で、水着日焼け痕がココア色の裸体に残るヒトデ側裸族人類の我美は仰向けに寝っ転がって、自作した電動バイブでオナニーをしていた。

「あぁぁぁ……自作した人工チ●コを突っ込んだ、オナニー最高っス! 気持ちいいっス」
 グチョグチョと銀牙を掻き回し、腰を上下させて甲板に尻を打ちつけて廃棄戦艦を揺らしている我美の姿は、上空成層圏に浮かぶ軍事監視衛生の映像として撮影されて。
 ある場所に同時送信されていた。
「『裸族人類が存在する退屈でない世界』で新作バイブでオナニーをして、何か世界に影響出たらヤバいっスから……ヒトデのヒトデなし科学力で『裸族人類と裸女が存在しないどーでもいい世界』に、次元移動してオナニーしているっス……G〔自慰〕気持ちいぃっス……あぁぁぁおッおッ」

【某所・国際防衛機構の作戦司令モニター室】
 制服姿の女性隊員が大型モニターに映し出されている我美のオナニーに、顔を赤らめながら状況報告をする。
「裸族人類のオナニー感度、なおも上昇中! 測定不能領域です!」
「政府が三回目のGアラートを発動!危険領域です!」
「裸族人類のマ●コ臨界点に到達!トロトロです!」
「廃棄艦近くの海域に点在する離島の全島民、避難完了しました」
 一人の女性隊員がうわずった声で言った。
「政府が廃棄戦艦の甲板でオナニーをしている、裸族人類の女に向かって『キノコの形をした爆発雲が上がる、とっても危険な最終兵器の爆弾頭ミサイル』を発射しました!?」
「なんだと『キノコの形をした爆発雲が上がる、とっても危険な最終兵器の爆弾頭ミサイル』が爆発したら……人類は」
「『キノコの形をした爆発雲が上がる、とっても危険な最終兵器の爆弾頭ミサイル』……廃棄戦艦上空の爆発設定点までの到着時間、約十分!」
「『キノコの形をした爆発雲が上がる、とっても危険な最終兵器の爆弾頭ミサイル』の人為災害に備え、各自机の下に避難して防災頭巾を!」
「『キノコの形をした爆発雲が上がる、とっても危険な最終兵器の爆弾頭ミサイル』の着弾まで、あと五分……あっ!? 裸族人類の上空に特異な重力場と空間座標の歪みが発生!!」
 防災頭巾を被った隊員たちは、机の下で震えながら体を縮ませた。

 廃棄戦艦の上でオナニーを続けていた我美は、自分に向かって飛んでくる『キノコの形をした爆発雲が上がる、とっても危険な最終兵器の……長くて面倒くさいので『危ないミサイル』を見た。
 爪先立ちした我美の腰が大きく甲板から浮かぶ。
「あぁぁおわぁ……イクっス、Gでイクっス、イクッイクッイクッ!」
 ガクガクと腰を上下させる我美の上空に、異常な重力場と空間の歪みが発生して落下してきたミサイルは爆発する前に空間の歪みに吸い込まれるように消え……代わりに我美の絶頂波が『裸族人類と裸女が存在しないどーでもいい世界』全体を包み込むように広がった。

 数十ヵ月後……文明が荒廃した『裸族人類と裸女が存在しないどーでもいい世界』
 松明に照らされた洞窟のような場所で、壁に手を添えてバックから男に犯されていた響子は我に返った。
(ここは……いったい、あたし今まで何を?)
 鏡面のようにテカテカした岩壁に映る自分の姿は……胸と腰に獣の皮で作った豹柄の下着を着けて、骨とか貝殻とか綺麗な石で作られた、装飾品を身に付けていた。
 顔や体には赤い土を染料とした、原始宗教的な紋様が描かれていた。
 響子を背後から犯している男も、似たような格好をしている。
(なに……この格好? ここどこ?)
 洞窟内では、響子と同じように男女がセックスをしていて喘ぎ声が反響している中……喘ぐ声とは別の声が響子の近くから聞こえてきた。
「どうやら、サル知能レベルから、人類知能レベルまで復活させるコトに成功したみたいですね」
「良かったっス」
 声が聞こえてきた方向に目を向けると、そこに白い水着痕が残る日焼けした裸の女と、オレンジ色をしたタコ宇宙人がいた。
 バックから突かれながら響子が呟く。
「うわっ、裸の変態女とオレンジ色のタコ?」
 軍医タコが言った。
「やはり『裸族人類と裸女が存在しないどーでもいい世界』の響子は、わたしたちとの面識はないようですね」 白い水着痕が残る我美が頭を掻きながら言う。
「悪りぃな、ボクのオナニー絶頂波が、この世界を変貌させちまった」

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あきゅろす。
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