タコ星の【落語人間】A

 ストーリー時間は軍医タコ一行がタコ星に向かっていた時間に進む……眼下にタコ星を望むタコ母船の一室で、軍医タコが懐かしそうに呟いた。
「帰郷するのは久しぶりです……タコ星の代表淫霊は何やら変わった【落語人間】らしいですね……どんな淫霊で、どんな未練を持って成仏できないのか楽しみですね」
 軍医タコの近くの壁に背もたれ座りした、憑依響子は顔を伏せた姿勢で一言。
「あぁ……そうだな」と、言って。
 マ●コに突っ込んだディルドーを弱々しくピクッと動かした。
 宇宙タコ空港に直接、母船着陸させて軍医タコ一行はタコ 市のメイン通りへと繰り出した。
 タコ星の市や町や村はどこも活気に溢れていた。
 建物看板で巨大な裸の女が、カニのように背中を見せて、壁でワサワサ動いている看板や。
 堀の橋から見える全裸の女が両腕を水平に広げて、陸上競技でゴールをしているような格好の看板もあった。
 商店街では、軍医タコの知り合いらしいタコ型宇宙人が次々と「軍医、おかえり」とか。
「久しぶりやね、軍ちゃん」と、気さくに声をかけてきた。 尻目が軍医タコに訊ねる。
「ずいぶん、気さくなタコたちですね」
「タコ星のタコ型宇宙人は飾らない宇宙人です……ここでの着衣人間。
いやいや、さまざまな動物星での扱いを見ると【露出人間】と名称を改めた方がいいですね……その露出人間のタコ星での扱いは、束縛しない野良状態です。タコ星の露出人間は、なんらかの刷り込みや思い込ませや催眠みたいなのを施されていて。夢の世界を生きているのです。
ほら、そこの青いポリバケツの上にも自分が野良ネコと思い込まされている、露出人間が一匹いますよ」
 軍医タコが触手で示したポリバケツの上では、背中をネコのように丸めた裸の少女がスヤスヤと昼寝をしていた。

 通りかかった、トラ柄やヒョウ柄のティシャツを着たタコ型宇宙人のオカンたちから黒飴を配られて困惑している憑依響子の裸体が、ガクッガクッと痙攣する。
 それを見た尻目が、もらった黒飴をしゃぶりながら。
「【落語人間】の淫霊、響子さんに入りました」
 と、言った。
 響子の雰囲気がガラッと明るい雰囲気に変わる。
「まいど、わてがこの星の淫霊でっせ……まぁ、わての紹介する三体の露出人間を見てもらいまひょか……わての説明を最後まで聞いてもらえたら、成仏しまっせ」
 明るい落語人間の淫霊に憑依された響子は、どこからか取り出した扇子で自分の額をパチンと叩く。

 第一落語人間『○グロのチ●コ

 軍医タコ、尻目、銀牙の三人が連れていかれたのは、時代劇にでも出てきそうな大問屋の屋敷だった。
 板張りの廊下を歩きながら尻目が言った。
「まるで、放蕩息子の若旦那がひょっこり出てきそうな屋敷ですね」
 やがて、落語淫霊が憑依した響子は、襖〔ふすま〕が閉じられた部屋の前に軍医タコたちを連れてきた。
「この襖の向こう側に、思い込まされて夢を見ている落語人間がいまっせ」
 響子が襖を開けると、そこにはビキニ甲冑の美少女剣士が片膝立ちの格好でいた。
 まるで、異世界ファンタジー世界から抜け出てきたような……畳の間には、不釣り合いな女剣士だった。
 女剣士が根元から折れた剣を構え、軍医タコたちを睨みつけながら言った。
「これ以上、わたしにどんな辱しめをするつもりだ……わたしは、どんな体位の辱しめにも屈しない!」
 落語淫霊が説明する。
「彼女は自分が異世界の誇り高い剣士で、魔王軍に石造りの牢に囚われられ……毎日、男の魔物から性的な責めを受けていると思い込んでいるんでっせ……ずっと心は異世界の夢を見ているや……さあ、夢見の剣士を抱いてくれへんか」
 軍医タコが銀牙に指示する。
「銀牙、とりあえず正常位で抱いてあげなさい」
「はい、タコ神二号さま」
 銀牙が固くたくましいチ●コを支え持って、女剣士に迫る。
 片足が鎖で石床に繋がれていると思い込んでいる剣士は、逃げることもできず抵抗する。
「男好きの、わたしに近づくな! や、やめろ! たくましいチ●コをビキニ鎧の股間の隙間から、わたしの体に押し込むな! はうッ」
 男性性器の挿入に女剣士は首をのけ反らせた。


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